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心理学研究の倫理

 アメリカ心理学会(American psychological association: APA)では、 1970年代から心理学者が守るべき倫理綱領を作成しており、実状に応じて何度か改訂されている。
 人間の社会的行動を理解することが研究者の目的ではあるが、その目的が社会的に望ましいものであっても、実験参加者や調査対象者が被る「損失」が正当化されることはない。

○ディセプション (deception)

 実験手続きの中で、被験者に対して虚偽の情報を与えることである。
 目的を知らされた上で参加する被験者は、その事実が行動に影響を及ぼすことが考えられるため、ある程度ディセプションが必要とされているが、いくつか条件・規制がある。

a) ディセプションの使用が研究の科学的・教育的・応用的価値に照らして正当化でき、ディセプションを含まない別の手続きを使用することができない 場合に限られる。

b) 身体的危険や不快な情緒的経験など、参加の意思に影響を及ぼすような重要な側面に関して、被験者を騙してはならない。

C) すべてのディセプション内容は、できるだけ早い段階で知らせなければならず、被験者の了解を求めることが必要である。

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