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道徳性発達理論(moral developmental theory)

○道徳性発達理論

 コールバーグ(Kohlberg,L.)によって提唱された。
 人間の道徳的判断が3水準6段階からなるという理論。

(1)前慣習的水準(level of preconvention)

<第1段階> 懲罰志向(権力に服従するタイプ)
 よい行動とは、権威者から罰を受けないものであり、悪い行動とは罰せら れる行動である。
<第2段階> 道德的快樂志向(報酬があれば従うタイプ)
 個人主義的な道徳性の時期。
罰を含む悪い結果を最小にし、良い結果 を最大にすることが正しいと考える。

(2)慣習的水準(level of convention)

<第3段階> よい子志向(人に喜ばれることをよしとするタイプ)
 対人間での規範に基づく道徳性の時期。
よい行動は他者から承認される行動であり、世間の目を気にするよい子を志向する。
<第4段階> 権威志向(法律や秩序を重視するタイプ)
 社会組織での道徳性に基づく時期。
義務の遂行が重視され、法律の必要性を認識する。

(3)脱慣習的水準(level of postconvention)

<第5段階> 社会契約志向
(正当な理由があればそれに代わる方法を主張するタイプ)
 規則は変更可能なものと理解され、相互の権利を認め、社会契約における 合意を重視する。
<第6段階>理念に基づく道徳性(正義・尊厳・平等を重視するタイプ)
 正しい行為とは良心に従った行為であり、法を超えた行為の正当性を認識する。

ギリガン(Gilligan、C.)は、コールバーグの道徳性が男性的な「正義の道徳性」 に偏っていることを批判し、女性的な「配慮と責任の道徳性」の存在を 論じた。


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