ロールシャッハ・テスト(Rorschach technique)
投影法検査の一種。
ロールシャッハ(Rorschach、H.)が刊行した『精神診断学』(1921)のことで、ロールシャッハは自らのテストを形態判断検査(Formdeutversuch)と称していた。
左右対称的なインクのシミ(symmetrical inkblot)が何に見えるか答えてもらい、反応内容を分析する。
図版は何千枚の中から選び出した白黒5枚、カラー5枚の計10枚。
ロールシャッハ法の解釈
○領域(Location)-図版のどこをみたのか
被検者の世界の捉え方、理解の仕方、認知的な様式を反映
・全体反応・・・総合的に捉える傾向、抽象的思考、創造的是考
・部分反応・・・局所的に捉える傾向、具体的思考、経験的思考
・空白反応・・・批判的に捉える傾向、議論好き
○決定因(Determinant)-何を手がかりに判断したのか
情緒的な側面(感受性、情緒の統制や成熟度、不安の程度)を反映
形態・運動・色彩・陰影などから判断される。
決定因の種類の豊富さは問題解決スキルの豊富さとされる。
・運動>色彩:内向型
・運動<色彩:外向型
・運動≒色彩:バランスがよい
・運動=色彩=0:積極的関心が低い
○内容(Content)-何を見たのか
被験者の知識、価値観を反映し、文化的・環境的な影響を受ける
内容の種類の豊富さは、知的好奇心の高さ、興味の関心の幅を反映
人間反応:
全反応の19%以下:対人関係を回避する傾向
20~30%:適度な対人関係への関心
31%以上:対人関係に過敏な傾向
○形態水準(Form level rating)
具体的で現実的な反応か。
ものの見方の厳密性、自己統制力を反映。
○公共性
6人に1人が出す反応が公共反応。
よく見られる反応か。
ものの見方の協調性・独自性を反映。