防衛機制(defense mechanism)
○防衛機制
不快な欲求、体験から自我を守る手段。
アンナ・フロイト(Freud, A.)は、抑圧以外の防衛機制を体系化した。
(1)抑圧(suppression)
不快、衝動を無意識の世界に抑圧し、エスを意識の世界に上ってこないようにする。
(2)反動形成(reaction formation)
抑圧した欲求、衝動が現れるのを防ぐために反対の態度・行動をとる。
(3)同一化(identification)
受け入れがたく、かなえられない現実を満たすために、尊敬する人物を真似ること。
自己拡大が生じ、自分自身を強める。
(4)合理化(rationalization)
自分の行動に合理的な理由を見い出して正当化すること。
都合のよい方へ歪んで認知する。
(5)知性化(intellectualization)
不安を引き起こす感情を意識化しないために、その感情と距離をおいて知的に判断しようとすること。
現実を正しく認知する。
(6)退行(regression)
現在の自我状態ではままならず、過去のより未成熟な行動様式に戻ること。
(7) 否認(denial)
不快な現実の知覚を拒否することで、自我を守ること。
(8) 昇華 (sublimation)
社会的に容認されない欲望を社会的に容認される形で表出されること。
例)性的エネルギーが勉学、スポーツ、芸術へと充当される。
(9)補償(compensation)
劣等感をカバーするために他の望ましい特性を強調すること。
アドラーの概念。
(10) 置き換え (displacement)
実現不可能なものを、実現可能なものにふり向けて欲求を満たそうとすること。
(11)逃避(escape)
不安を起こす事柄から目を背け、安全な状況を求めること。
(12)投影(projection)
自分の受け入れがたい感情を他者が自分に向けているととらえること。