虚偽記憶(false memory)
虚偽記憶(false memory)
(1) 誤導情報効果(misinformation effect)
ロフタス(Loftus,E.F.)とパルマー(Palmer,J.C.)による記憶が変容する現象。目撃した事件と矛盾する事後情報(誤誘導情報)が与えられると、事件に関する目撃者の記憶が変容する。
「事件にとってあまり重要でない細部に関わる場合」、「事件から時間が経過し、記憶が不鮮明である場合」、「誤導情報を疑う理由がない場合」に記憶の歪みが生じやすい。
(2) ソース・モニタリング(source monitoring)
ある特定の記憶の情報源を正しく特定する過程。記憶の情報源を間違えることは、ソース・モニタリング・エラーとよばれる。情報源の判断は意識することなく、曖昧で部分的な情報に基づき自動的に行われる。
リアリティ・モニタリング(reality monitoring)とは、ソース・モニタリングの一種で、記憶の情報源が外部の刺激からなのか、推理や想像による自己の内部からなのかを判断する過程。(例)親から実際に虐待を受けたのか、虐待を受けた夢を見たのか。
(3) フラッシュバルブ記憶(flashbulb memory)
強い感情を引き起こした重大な出来事に対する詳細かつ鮮明で、比較的持続する記憶。震災などの社会的事件に限らず、結婚といった個人史上の重要な出来事にも存在する。