統合失調症(schizophrenia)
○統合失調症
思考、感情、行動の大きな混乱を特徴とする精神病。
罹患率は1%前後で男女差なし。
20歳前後に多くは発症する。
1~4月生まれに多いことから、インフルエンザウイルスの影響が疑われている。
クレペリン(E.Kraeperin)の早発性痴呆から、ブロイラー(E.Bleuler)の精神分裂病(1911年)を経て、統合失調症という名称になった。
○陽性症状(positive symptom)
妄想・幻覚・解体した行動など派手な症状。
○陰性症状(negative symptom)
感情の平板化・会話の貧困・意欲の欠乏・快感消失
○解体症状(disorganized symptom)
まとまりのない会話と行動
原因
○二重拘束説(double bind theory)
ベイトソンが提唱。
逃れられない矛盾するメッセージを突きつけられると、統合失調症が発症するという説。
○脆弱性ストレスモデル(diathesis-stress model)
遺伝的にもつ中枢神経の脆弱性に、過度のストレスが加わることによって統合失調症が発症。
○ドーパミン仮説(dopamine hypothesis)
神経伝達物質であるドーパミンの過剰分泌によって、統合失調症が発症している仮説。
統合失調症の病型(schizophrenia subtypes)
妄想型(paranoid type)
陽性症状が主体。
解体型(disorganized type)
解体症状が主体(かつての破瓜型)。
緊張型(catatonic type):
運動・行動異常が主体。
残遺型(residual type)
陽性・陰性・解体のそれぞれがある。
鑑別不能型(undifferentiated type)
妄想型・解体型・緊張型の基準を満たさない。
陽性症状に対しては薬物と入院による鎮静、慢性期にみられる陰性症状に対してはSSTなど臨床心理学的介入が有効。
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