自己意識(self-consciousness)
○自己意識特性
状況によらず個人的な傾向として自分に注意を向け、自分を意識しやすい性格特性をいう。
公的自己意識(public self consciousness)
自分の行為や容姿など他者から見られている自分を意識する特性。
公的自己意識が高い人は衣服や化粧に対する関心が強く、他者が見ている自分に注意を払い、他者の価値や態度など外的基準に合わせようとする傾向がある。
私的自己意識(private self consciousness)
自分の感情・思考や態度など他者にはわかりにくい内的なものに注意を向ける特性。
私的自己意識の高い人は自分を分析しようとし、自分の感情や思考を内的基準に合わせようとする。
○没個性化(deindividuation)
個人が群集の中に埋没して1人の人間としてアイデンティティを喪失している状態。
ジンバルド(Zimbardo, P. G.)によると没個性化を促進する条件として、
(1)匿名性が保証されている
(2)責任が分散されている
(3)興奮している
(4) 感覚刺激が多すぎる
などがあげられる 。
没個性化のもとでは、自分自身を評価することをやめ、他者から評価を受けることへの不安も薄れ、本来ならば行動を抑制するはずの罪、恥、恐怖感が機能しなくなる。
その結果、通常は抑制されている情動的・衝動的・非合理的な行動が出現し、同時に反応性が高まって周囲の行動に感染しやすくなる。
没個性化には、略奪や暴力などの「非社会的な」ものと、組織的な応援や軍隊の行進といった、公的自己意識が高まっている「社会的な」ものの2つのタイプがある。
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