「豊かさ」とは?ユング心理学的視点から読み解く、時間や人生の豊かさとは?ミヒャエル・エンデ「モモ」
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2020/08/19
こんにちは。HACOです。
「人生の豊かさ」って何だろうか?
近年、より考えるようになってきたような気がします。忙しい日々の中でこれを思うこともあれば、みなさんの語りを聴く中で、より考えるようになっているということもあります。
いつも「主体性」と「楽しむ力」というテーマを軸にしていますが、その行く先が「豊かさ」という言葉につながっていくものであるといいなと考えたりします。
そんな折に、100分de名著で取り上げられた作品が「モモ」ミヒャエル・エンデ著 です。
子どもの頃に「はてしない物語」を必死に読んで、そのあとに読んだのが「モモ」。映画化された作品もみました。当時の感想は「何とも言えない恐怖」を感じた作品でした。「虚無」への「恐怖」だったのかもしれません。物語の本質や深さはわからなかったのですが、それが印象的でした。
100分de名著では、臨床心理学者の河合俊雄さんがユング心理学的視点から読み解いていくというのがうれしい流れ。読み解きというものに答えはないと思っています。「個人的な解釈」をいつも大切にしています。そのような中で、ひとつの視点として物語や作品を読み解いていくこの番組は、いろいろな気づきをもたらしてくれます。伊集院さんのわかっているのに、わかっていない風な質問やたとえ話しの秀逸さが100分という短い時間の中で、読み解きの幅と深さを広げてくれています。そして、わかりやすくしてくれます。
この記事を書いている段階で、3話目まで放送されています。まだ、1話しか見れていないのですが、現代に必要な視点への展開も含めて、エンデさんの考え方から、モモの本質につながるような解説など楽しみでいっぱいです。
内容についても、触れていきたいところですが、また全話視聴してからにしようと思います。
冒頭で触れました「豊かさ」とは?というテーマ。
COVID-19によって変化した世界のいまだからこそ、という視点もあると思います。また、それがなかったとしても、近代化した現代で求める「豊かさ」とは?。「豊かな時間」とは?「豊かな人生」とは?といった、大切なことを思い出させてくれる作品です。
もしかしたら、思い出す起点がすでに失われてしまっている可能性もあるのかもしれません。過去と現代を対比させながらの時間旅行。物語であるからこそ伝えられること。
ミヒャエル・エンデの作品は、生きることについての示唆がいっぱいで、また、非常に厳しい視点での指摘が含まれていると感じています。児童文学?って思うところはありますが、児童文学に落とし込んで伝えることの大切さを感じるところでもあります。
例えば、マンガ作品でも、青年誌で描くのではなく少年誌で描くことの意味というような、物語の本質を誰に伝えたいかという思いも大切なことだと思います。子どもでもわかる範囲の表現(ギリギリの)で伝えることで、より先鋭化された「何か」がみえてくることがあります。
「想像力」イマジネーションを養うことにもつながる大切なこと。
いまは、すべてが可視化されてしまうような情報に溢れている時代。イマジネーションを働かせることが少なくなっているかもしれません(むろん、そのことが、今後の新しい考えや行動を生み出していくきっかけになるのかもしれませんが)。外部のデバイスによる人間の進化は著しいですが、人間自身はそれほどには進化していないような気がしています。
人として大切なことは何か?
もう一度、考えるにはよい時期なのかもしれません。そのきっかけとなる物語として「モモ」は素敵で、恐ろしく、不思議な世界からのメッセージを届けてくれると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日もよい一日を。
それでは、また。
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