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走馬灯 ~『生きろ! そなたは……、まあ、あれだ。死ぬな』

 皆さんは「走馬灯のように記憶が蘇る」ような経験をしたことはありますか? え? 日常茶飯事ですか?
 
 
 ……一体どんな日常を送っているのか氣になりますが。
 
 
 閑話休題。
 
 
 そもそも走馬灯とは、中国で発祥し、江戸時代中期に日本でも作られるようになった灯篭(とうろう)の一種のこと。もともとは蝋燭(ロウソク)の光で映し出された馬の影が灯篭の中でくるくると回転し、その影が周囲に映し出され、幻想的な雰囲気を作る夏の遊び道具だったようです。その仕組みは、二重になった灯篭の内側の枠に、馬の形に切り抜いた紙を貼りつけ、枠の上部の風車と繋げたもので、中の蝋燭に火を灯すと、その熱による上昇気流に乗って風車が回転し、それによって馬もくるくると回転するといったモノ。そしてその影が、スクリーンの役割を果たす外側の枠に貼られた紙に映し出されるという、影絵の仕組みを利用したものだそうです。
 
 
 その走馬灯の馬の影がくるくると途切れる事なく回り続ける事が、記憶が連続して蘇(よみがえ)る様子を「走馬灯のように」と呼ぶようになった所以(ゆえん)のようですが、それがいつから死の間際に見られると言われるようになったのか、はっきりとした記録はないそうです。
 
 
 ではなぜ人は死の間際に「走馬灯のように記憶が蘇る」のか。
 
 
 それはまず脳の仕組みから知る必要があります。
 
 
 人間の脳は主に生命活動を司(つかさど)る脳幹(のうかん)【生存脳/太古の脳】、感情を司る大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)【感情脳/本能脳】、知的活動を司る大脳皮質(だいのうひしつ)【認知脳/理性脳】で構成されています。右脳や左脳、前頭葉と後頭葉に分かれているのは高等動物脳である大脳皮質の部分だけです。
 
 
 そして脳の最優先事項は“死なないコト(=命を守るコト)” つまり脳は死に直面した危機的状況に陥ると必死になって記憶を辿り、この状況を打破して死を回避し、生き延びる術(すべ)を見つけ出そうとします。それこそが「走馬灯のように記憶が蘇る(フラッシュバックする)」現象です。
 
 
 そして死に直面した危機的状況に陥ったとき、例えば眼前にトラックが迫ってきていて撥ねられそうなとき、人は周りの風景がスローモーションに見えるらしいのですが、あれも脳がものすごいスピードで回転しているので、周りの風景がゆっくりに感じるのだそう。
 
 
 私は12年ほど前に信号無視(進行方向とは違う信号を見ていた)をして車に撥ねられたことがありますが、特に車のスピードがゆっくりに感じられたり、ましてや走馬灯を見るようなことはありませんでした。まあ実際は車に撥ねられる寸前に、とっさに(少しだけ)身をひねってうしろに避けていたため、撥ねられはしたもののアスファルト路面に叩きつけられた際の左足捻挫と足の指の脱臼だけで済みました(骨折すらしていない)。あとで警察や病院から聞いた話では、もしあのときとっさに身をひねってうしろに避けていなければ、そのまま車のフロントガラスに頭を突っ込んでスプラッタになっていたようです(つまりそれだけ車のスピードが出ていた)。多分危機察知能力だけはしっかりしてたんでしょうね。おかげでラッキース◯ベの体験も一度もありません。
 
 
 走馬灯は本氣で死に直面した危機的状況にならないと見られないため、そしてだれにでも見られるものでもないため、気軽に見ようなんて思わないでね✨ (そんな奴ァいねぇ!……ことを祈ります)
 
 
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 ちょっと宣伝。
 
 
 12月に、有料講座を開催します。テーマは“自己肯定感を高めるには?(仮題)”
 
 開催日時:
  12/18(日) 19:00~ 約100分
  12/22(木) 20:00~ 約100分
  (二回とも内容は同じです)
 
 参加費用:
  3,500円(未定)
 
 講座会場:
  zoom(オンライン)
 
 支払方法:
  銀行振込、もしくはPayPay
  (できるだけ銀行振込でお願いします)
  
 詳細は決まり次第(12/4までに)追ってまた告知します。
 
 
 そういえば心理学を勉強しているのに、単独講座で心理学に触れるのって初めてなんじゃ……😅
 

ダメなんかいっ!


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