psychiatrician

精神科、内科、救急を勉強してきた医師です。心と体の両方を診られる医師を目指して日々研鑽をつみつつ、同じ目標をもつ若手医師の育成にも力を入れています。

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最近の記事

認知症の方のQOLを考える

進行した認知症の患者さんに発症した肺炎に抗菌薬を投与すべきでしょうか?進行した認知症の患者さんの肺炎は細菌感染というよりも、飲み込む力が弱くるために誤嚥して起こることが多くなります。抗菌薬で肺炎が良くなっても、飲み込む力は時間とともに少しずつ落ちていきますから、肺炎を繰り返すようになる事が多いです。肺炎に対する抗菌薬投与は、日本では入院して点滴で行われることが多く、進行した認知症患者さんでは点滴を抜かれないように拘束されることも稀ではありません。また、回復した後に更に嚥下機能

    • 心も体もみられる医師

      心も体もみられる医師とはどんな医師でしょうか。内科や外科などの身体疾患の診療ができて、精神科の勉強もしていて精神科の診療ができる医師と考える人が多いと思います。これは概ね間違いではないのですが、“心も体もみられる医師”という言葉に抱く一般の人のイメージと、医師のイメージには実はずれがあります。 そして、この“ずれ”は時として患者さんに心理的ダメージを与えてしまう事があります。 少し例を挙げてみようと思います。 Aさんは63才の男性です。子供は二人いますが、既に自立しており