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『モチベーションの心理学』ワークショップレポート

 こんにちは。オンラインメンタルスクール プシケの松尾です。中高生に心理士がメンタルヘルスの実践的な学びをオンラインで提供しています。
 先日、春休みキャンペーンワークショップを終えました。そのときの参加者の中高生の皆さんの様子と成長の様子をまとめてみました。是非ご覧ください!

『モチベーションの心理学』を春休みに企画した理由

 コロナ禍の大規模調査から、中高生は悩み事を問われ、「気持ちのこと」よりもダントツ「勉強のこと」で悩んでいると回答する一方、抑うつ的な心と身体の症状が表れていることがわかりました。ストレスを感じていることを自覚しづらく、勉強に支障をきたしていることが自覚されていると思われます。そこで、気持ちの自覚と表現・ストレス管理・モチベーション管理を扱うワークショップを提供しました。

中高生がワークショップに参加した結果

 満足度

 全4回のワークショップの各回でとったアンケートの満足度平均は5点満点中4.6「面白かったか」「内容が役に立ちそうか」尋ねる質問には5点満点中4.7でした。全4回を通した満足度は5点満点中5点で回答でした!
 また、事後のインタビューで、親子ともに全員がまた参加したいと答え、知り合いに勧めたいと答えました。

 心の成長

 ワークショップの事前と事後と2回、レジリエンス(困難や脅威的な状況で適応する力。精神的回復力)についての心理学アンケートを行い、全員がワークショップ後のほうが前よりも点数が向上していました!少人数ではあったので、統計学的に差が有意とは言えませんが、精神的回復力・適応力への自信は4回で獲得できる効果があるのかもしれません。
 また、個別インタビューでは、人前に出る緊張感が強かったけれども新しいクラスを楽しめている等、新学期に新たなクラスの人と話す緊張感が低減されているといるというお話を伺いました。初対面の人と話すことの不安感の低減や自信がつくことは想定外のいい影響でした。

『モチベーションの心理学』での様子

 少人数制で、心理士2人(進行1人・サブ1人)とテクニカルサポートの運営の人員体制で行いました。全4回で、1回目は関係構築のためのアイスブレイク、2回目はストレスについて、3回目はモチベーションについて、最後はふりかえりを行いました。
 1回目では、自己紹介ゲームと心理学的なワークを行いました。自己紹介を聞いたり質問したりして、講師よりも多くの共通点を見つけたら勝ちとする自己紹介ゲームをしました。講師1人が子どもたちのグループをサポートし、メインの講師が負け、ビデオフィルターで変顔をするという罰ゲームで、ぎこちなかった子どもたちの顔に笑顔が見えました。言葉になる前の感覚(フェルトセンス)を形に置き換える(フェルトシフト)をする気持ちの天気というワークを行いました。晴・雨・曇等の天気の種類から近いものを選び、画像検索をかけて気持ちの感じに近い天候の画像を探し、画面共有をして天候の説明をすることで心情を言葉にしました。初対面で緊張感があり晴れた雪景色を選ぶ人が多かったですが、ワークが「楽しかった」と参加した子どもたちの印象に残ったようでした。

春休みWS 気持ちの天気 画像

 2回目はストレス管理について、ストレスのメカニズムとストレスへの対処法(ストレスコーピング)を探し、実際に日常で試してふりかえることをホームワークとしました。「初対面の人と話す前日」「人混みが多い状況」「人前で発表するとき」「苦手な教科の宿題をするとき」などそれぞれのストレスが起きる状況(ストレッサー)を洗い出し、対策を考えました。講師陣が驚くほど、みんな集中して取り組んでいました。

春休みWS② アクションプラン 画像

 3回目の始めに、2回目に題したホームワークのふりかえりを行いました。ストレス対処法を実践して、効果的だったことと改善が必要なことをふりかえりました。そして、メインとなるモチベーションの水準やモチベーションを維持する目標設定の在り方を学び、春休み中や進学時、1学期修了後などのスモールステップで目標を立てました。講師の例を参考に「高校デビューをする」という目標に対してこの日までに「自分から声かける」という目標を立てたりしていました。

春休みWS③ ドリームクエストシート 画像

 最終回の頭で、計画と実行をふりかえりました。達成できたところとできなかったところをワークショップでやったモチベーションを維持できる振り返り方のコツを生かして整理しました。その後、みんなでざっくばらんに新学期の話をして、4回連続の内容を生かせているか事例問題に答えたり、テスト形式の復習問題にウェブ上で応えたりしました。明るい声で自発的に話す様子が見られ、「だんだん話すのが楽しくなってきた」と話す人もいました。1回目にやった気持ちの天気を最後に再度やると、「雪解け」と言って雪が溶けて広く明るい青空が見える画像を見せてくれたのが心に残りました。

春休みWS④ クイズ 画像

親御さんの声

 事後インタビューでは、オンラインワークショップに参加するお子さんの様子を傍で見ていた親御さんからサービスを続けて参加したいと思う声や進めたいと思う声を頂きました。大変ありがたいことです。。。
 「学校で上手くいかないのを改善するのが難しいけれども、サポートを受けて成功体験を詰めたらと思う」「短期間で満足感高いため、使わせたい」「学校と病院の間として人に勧めたいと思う」「少人数で安心できる環境、ホームスクーリングをして繊細な子にとっても、大変貴重な環境だと思う」と自ら話してくださいました。

もっと多くの親子に届くように

 まず親御さんがイメージがついて「よさそう!」と思っていただけなければ、お子さんに勧めづらいところがあるかもしれません。
 そこで、ゴールデンウィークにモチベーションの心理学を親御さん体験していただける企画を用意しました。お子さんのやる気を支えるかかわり方についても盛り込み、親御さん向けにアレンジして届けます。是非、ご参加ください!

お申込み・お問合せはこちら↓
https://forms.gle/6N9JvS6NsPEH8pcc9

日時:5/5㈬ 12:00-13:30
料金:1500円(お友達紹介でお友達もご紹介者様も1000円!)
方法:zoom(顔出しなしで聴講のみの参加もOK)

【出典】
国立成育医療研究センター コロナ×こども本部(2021)「コロナ×こどもアンケート第4回調査報告書」https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/CxC4_finalrepo_20210210.pdf
無藤隆ほか(2011)「心理学 Psychology:Science of Heart and Mind」.株式会社有斐閣
元永拓郎ほか(2005)「受験生、こころのテキスト」.角川学芸ブックス
平野真理(2010)「レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み -二次元レジリエンス要因尺度(BRS)の作成」 パーソナリティ研究,19,94-106

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