日本人が英語を話せない理由
先ほどYouTubeで解剖学者の養老孟司さんが『言葉の本質』について話している動画を見たんだ。
その中で、僕がずっと日本人の英語に対する考え方で不思議に思っていたことに言及してくれていたので、その件について書いてみようと思う。
まず、その動画のんかで話されていた言葉の本質というのは、同じ発音なんて存在しないということだ。
例えば、同じ言葉をhっしたとしても声の高さも違えば、発音が良い、悪いもあるだろう?
聞き取りやすい声の人もいれば、全く聞き取れない人だっている。
それでも我々が彼らが日本語という言語を話している以上、彼らの話すことを理解してコミュニケーションが取れるんだ。
これは、本来言葉という全く違うものを同じものとして認識するパターン認識の力が人間に備わっているからであり、その能力が備わっていない他の動物たちは言葉を話せないんだ。
なぜなら違う音の高さで発せられた同じ言葉を同じ言葉とは捉えることができないのだから。
これじゃ意思疎通ができるわけがない。
だから、ペットを飼っている人なら自分のペットに名前をつけて家族みんなでその名前を呼ぶことがあるだろうけど、多分そのペットには自分の名前が人によって別のことを言っているように聞こえているということなんだ。
猫に3日前に買ってきた秋刀魚と今日買ってきた秋刀魚を焼いてあげると猫は今日買ってきた秋刀魚しか食べないらしい。
香りや見た目で別のものだと判断するんだろうね。
それくらい別のものを同じものとして捉えることができないんだ。
でも人間であればそうじゃないよね?どっちでも一緒でしょと言って食べない?
もちろん腐っていれば別だけど、もし腐ってなければ数日の違いは感じないくらい鈍感なんだよね。
言葉に関しても同じだ。全く別のものを同じものとして共通認識を得ることで人間はここまで進化したんだ。
けどその問題点も存在する。
それは、『正しい発音』が存在すると思い込んでしまうことなんだ。
特に、英語を勉強するときはそうだよね。アメリカ人やイギリス人のように綺麗に『正しく』発音しないといけないと思い込んでいるよね。
だから、僕は日本人がやたらと英語の発音に厳しいことが不思議で仕方がないんだ。
発音の良さが英語の能力に比例しているという幻覚を抱いている人はおそらくたくさんいるだろ?
けど、実際その中身を聞いてみるとすごく単調でつまらない表現を多用している人だっているんだ。
ただ発音が良いというだけで英語能力が高いとは限らない。
僕は、多くの日本人が英語の構造を理解したり表現の幅を増やしたりする前に発音を気にし始めることに呆れるんだ。
今日ぼくが見た動画の中でも養老さんは『正しい発音なんかないんですよ。相手に伝わることが大事なんですよ』と言っていた。
本当にその通りだと思う。
僕はイギリスの大学に約3年在籍していた。
イギリスって移民国家だから大学にも110を超える国から生徒が来るんだ。
すると当然だけど英語がマザータングじゃない国の人たちもたくさん存在して、そういう人たちの英語にはどこか訛りが聞いている。
例えばフランス人だったらフランス語の訛りが、イタリア人ならイタリア語の訛りが混じっている。
決して『正しい』発音とは言えない。けど、それでも彼らのいうことは理解できるわけだし、それでコミュニケーションは成立するんだ。
彼らの発音が『正しくない』からと言って彼らの英語力が低いかと言われると決してそんなことはない。
ネイティブと遜色無いほどに高い英語力を持つ人だっているんだ。
例えば、アラブの国なんて良い例なんじゃ無いかな。実はアラブの国々(UAEやサウジアラビアなど)では、小学校くらいから学校の先生がイギリス人で授業も全て英語なんだ。
だから、大学に来る頃にはネイティブ同然に英語が堪能になっている。
けど、それでもやっぱり彼らの英語にもアラビックなアクセントが残っているんだ。
つまり、本来全く別の音を我々は聞いて話しているんだけど、それでも意思疎通はできるし、それで仲良くなることだってできるんだ。
でも日本人はそれじゃダメだと思っている。
綺麗な発音じゃないと英語ができないと思われてしまう。なぜなら、『正しい英語の発音』が存在すると思い込んでしまっているから。
けど、本来は『正しい発音』なんて存在しないんだろうね。
だから、英語を勉強したいという人がいたら僕はまずこう言うんだ。
『発音は二の次でいいから、とりあえず相手の話を理解して、自分の主張を表現する幅を増やしな』って。
それはつまり、さっきも言った構造の理解やボキャブラリの補強だよね。
あとは、とりあえずそれを伝えてみるしか無いんだよ。
どれだけ『正しい』発音じゃなくても、それが通じれば自信になることは間違いないんだから。
日本人が英語を話せない理由。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?