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フラッシュメーター。

40年前、最初のスタジオでは、ミノルタの3型だったけど、指針式の初期型もまだ現役で使ってた。ようやくカメラ周りを触らせてもらうようになった頃、先生と一緒にロケで、たしか整理ダンスのブツ撮に同行。用意も任されて、準備OKだったはずが、現場でメーターを忘れたことが発覚。先生、あわてず騒がず、淡々と準備して、出力やヘッドの位置を調整して、何度も発光。いつもより少し多めだったが、撮影は無事終了。現像上りはお見事、あたりと思われるコマを中心に、バランスよく前後きっちり収まってた。先生には後で、しっかり怒られましたが、カメラとフィルムさえあれば、なんとかなるもんだと思いました。

 自前では4型を買って、これはまだ持っている。カラーメーターもあったが、フィルムカメラ、GX680を処分したとき一緒に手放した。もうメーターもほぼ使わなくなったが、それでも、条件をそろえたい時などは今でも使う。自分のスタジオで長くやっていると、ライト位置やジェネの出力も、デスクトップなんかではそう変わらないので、バランスや絞り値もなんとなく分かる。時々建て込みでベッドなどを撮るときは、その方が早いのでメーターを取るように何度でシャッターを切り、PCのモニタで確認すれば、足りないところ、強すぎるところも、どのくらいの加減でジェネを触ればいいか見当を付けられる。これはまあ、長くやっているので経験値のおかげと思っている。
 駆け出しの頃には、最終的なバランスの光の当たり方を想定して、傘やらトレペやら使っておおまかにライトを組み立て、それからメーターを取りつつ、ジェネの出力を触ったり、ヘッドを追加したり、直接トレペをかましたり、位置を変えたりして、何度もメーターの数字を確認して、組み立ててた。これでだいたい思うようになったぞ、と言う段階まで来たら、持っていればポラを引き、確認してようやく本番へ。とにかく、瞬間光は、定常光と違って見たくても眼で見られない。モデリングライトもあるが、あんまりあてにはならないし、メーターの数字だけが頼りだった。一番出したいところの露出も大事だけど、要はバランス。どこかが少し暗く、どこかが少し明るく、陰影が立体的で奇麗に、というか頭の中で描いた「良いと思っている絵」になるようにするために、頭の中で必死に想像してた。なので、ポラを引けない時や、雑誌などでは、ライトの出力や、位置など条件を変えて、時にはフィルターも入れて何通りか撮影してた。今でも、もう少し後ろを飛ばしておこうか、とか、落としてみるか、というのはしょっちゅうやります。

このフラッシュメーター、受光球というピンポン玉を半分に切ったようなのが付いてますが、これをどこに向けるか、基本はカメラのレンズ方向、カメラに入ってくる(であろう面の)光量を測定、なんですけど、人によっては、傾けたり、指で一部、切ったり、微妙に作法があって違うんです。私もどれが正解はわかりません。でも、ちょっとした癖があって、それで慣れているので今でもそうやって測ります。ただ、体でライトをふさがない、例えばレフ板の位置に測定者の体があれば、黒い服ならアンダーに影響します。どうしようもない、隠れるところが無い場合は、メーターを測りたい位置に置くなり固定するなりして、ノンコードモードで。その時、ちゃんと受光球が測光したい面になるように置かないと意味がありません。最近はどうなんだろう、みなさんメーター使っているのかな。まあ、無くても支障ありませんが、瞬間光なら最初はメーターの数字を読んで、どうすればどのくらい落ちるのか、上がるのか、いろいろやってみる方が、勉強にはなるかもしれません。

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