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コピー。
最近になってまた、バンドを組んでドラムを叩き始めた。知り合いに「なんかやろうよ」と声をかけても良かったのだけど、もうみんな手の内はわかっているので、ぜんぜん知らない人と、と思い、ネット上の掲示板のようなところの募集に応募してみた。見てみると、こんな感じのをやりたいと言って若い人たちが上げている曲をほぼ、私が知らない(ホントは興味がない)ので、どうやら若者とは無理っぽい。年寄りならばと探してようやく決まったけど、これがやってみるとなかなか楽しい。
話は飛んで高校三年、18の夏。中学の同級生でベース弾きだったTと、久しぶりに会って喫茶店での何気ない話の中で、何の経験もないのに突然思い立ってドラムをはじめた。その後、天王寺にある商業ビルの「掲示板」に「当方、ベースとドラム、ほかのメンバー募集、または参加希望」と書いて貼り出したところから始まった。誘いに乗って電話くれたのが、同じ歳でボーカルのS。彼の知り合いのギターも呼んでともかく始めた。5曲ほどそれぞれがやりたい曲を上げて、ハードロックからファンク、サザンロックと全然まとまりのない選曲だったけど、レコードやカセットテープを何度も聞いてコピーにとりかかる。ともかく手探りでコピー譜など本ではあったと思うけど、金もないし、まだ譜面など読み書きできるはずもなく、耳だけが頼りでした。
そうやっていくうち、ライブハウスだのあちこちで演るようになり、いろんな人たちと知り合い、仲間も増え、集合解散と言うお決まりの手順を踏みつつ、フォークロックだったり、ポップスだったりな人たちと組んでいくのですが、この話はいずれまた。
と言う感じで、50年近くを経て、またしても掲示板のお世話になりつつ再開し、昔のように耳でコピー、、、と思いきや、今は便利な世の中、ネットにはいろいろ転がってるんですね。音源と一緒にコード譜やら楽譜が送られてきて、さすがにドラム譜を探すことはしませんでしたが、曲を聞きつつ、簡単なサイズだけわかるような、私にしか読めない”譜面モドキ”を書くことで、曲をコピーしてました。
それにしても歳をとったという事を実感したのが、キック(ベースドラム)の音。これ足で踏んで鳴らすんですけど、ちょっと油断すると音が小さい。筋肉が落ちて来てるんですね。ばらつきが大きい。手はまだそこそこ動いてくれてるのが救いですが。巷では、往年の名バンドなどが再結成、ライブをやったりしてますけど、ドラムは、たいてい若い人がやってたり、後ろに若者の影ドラムがいたりと言うのをよく見ます。理由はこれですね(もちろん、現役バリバリのお年を召した方もたくさんいらっしゃいますが)。私ももうとても速い曲、音量のでかい曲、手数の多い曲などは無理だなとあきらめています。心臓疾患の身なので特に。ま、それでも少しゆったりと、お互いの出す音を聞きながらの楽しい演奏はかけがえのない時間だったりするのです。