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懐中電灯。

ライティングって大上段に構えると、メンドクサ感が前に出ます。でも実はとっても簡単な方法で「天井バウンス」の効果を見て覚えられるんですよ。
と、その前に、そもそも「天バン」っていつごろからなんでしょうね。かのおっかない大先生は、有名作家さんのご自宅でのポートレイト撮影の時、まだ発光部の動かないナショのグリップタイプを二台、三台とスタンドに載せて、それぞれ外部バッテリ(積層)を付け、シンクロコードとスレーブでつなぎ、白い天井や壁にぶつけて、やってたのがたしか1990年前後。電源が引ける大きな天井の高くて暗い、工場での撮影では、サブロクの「ハッポー」をスーパーブームの先に張り付けて、高く上げ、そこへ2400wのストロボをぶつけたりしてた。レフ板などに直で当ててその反射を利用、柔らかくする、というやり方はどこでもやっていたけど、クリップタイプの発光部はいつからあんなにグリグリ動かせるようになったのかな。どうも記憶があいまいです。駆け出しの頃はナショのクリップオンとグリップタイプを使ってたけど、クリップオンはもう動かせたように思う。デジタルになり、キヤノン純正ストロボでフル発光の天バンを使いすぎるとオーバーヒートするので、予備を持って行って入れ替えながら撮影してたけど、それでもやっぱりもたなくて、よくパネル焼けやチューブ交換になった。クリップオン+コマンダーでの運用をするようになって、ますます天バンを使うようになったけど、これは何処にどんな角度で、どのくらい離れて当てるか、で結果が驚くほど違います。慣れると、なんとなく希望のライティングへすんなり持って行けますが、それでも何度も、出力や位置を変えてテストしてます。特に発光部の傾きや高さでナマ(直射光)がわずかに漏れて、背景や被写体に当たることがあるので、気を付けてチェックします。距離の取れない時はワイドパネルを引き出したり、白い反射板も出して回り方を制御することも。店舗や室内撮影で照明がついてなくて、落ちる部分に軽く入れたりもしますが、バーのような室内が電球色の色目の時には、良くある木目調の壁などに反射させてやると馴染みが良いです。木目と言えば和室の天井はたいがい木目。これにバウンスさせると黄色くかぶります。外光があればもれなく真っ青に。防ぐには傘を、ですが、たいがい天井が低め。なので、丸くなるレフをスタンドに水平に固定して天井に押し付けてそこへバウンスさせるということも良くやりました。
ということでやっと本題。
この天バン、拡散させて柔らかい光にするためなんですが、効果を見るのに、簡単にできることを一つ。大きめの出力の高い懐中電灯、出来ればLEDで、照射角度を可変できるもの、これを手で持って奥様か旦那か、彼女かを天井や壁の白い部屋に立たせて、出来るだけ真っ暗にして、その懐中電灯で天井を照らしてください。直接当てるより、バウンスさせると思ったより暗いのがわかります。グルグル動かしながら、どこへ向けるか、角度や距離、照射角など変えながら、同じ位置でも角度を変えると見え方も変わります。また離したり、照射角を広げるとどんどん拡散して柔らかい光になりますが、光量は落ちて暗くなります。そうやって見ていくと、顔にどういう風に影が付くのか、ハイライトが出るのか、見えてきます。三脚があるならそこへ載せて、手持ちのデジカメでisoを思い切り上げて撮影してみる、という事も出来ます。これを元に、自分の頭にあるイメージ通りの狙った光の当たり方になるようライトの配置、数、出力、レフ板の位置を決めるんです。
どうでしょう?簡単で面白いでしょ?私はこれを40年前にレフランプでやってました。正確には、勉強会と称してやらされた、ですけどね。


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