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失敗。

30年以上も写真を撮って生活していると、様々な失敗、トラブルに遭遇してきた。機材の故障もいろいろあった。撮影中にストロボのジェネから煙を噴いたこともあるし、突然チューブが破裂したこともある。予備が有ったり、撮影は無事に出来たりと、たいていは難を逃れている。ダメだったのは、フィルムの頃の135。少し古いFDレンズを使っていて、絞りの羽が既定の数値まで閉じなくなり6,7枚に一枚、開放(つまりオーバー)になるという故障の時。潔く壊れて絞りが閉じっぱなしにでもなってくれたら、ファインダーが暗くなり気が付けただろうに。上りを見て血の気が引いて汗が噴き出したのを覚えてる。救えなかったのだけ数点、再撮影したが、カメラもレンズも消耗品、マメに手入れ(オーバーホール)するなり、買い替えるなりしないと駄目だと思った。
 newF-1ではモードラの力が強すぎて、フィルムの最後の止めがブチ切れて、空回りだったこともあるが、これは現場で抜くことも出来ず、カメラが使えなくなった。ホテルに戻って、ベッドの布団の中で、慎重に抜き取って、Pケースに入れて、何重にも袋に入れてガムテでぐるぐる巻きにして持って帰った。これ以降は、ロケでは必ず暗袋、ダークバックを持って行くことにした。フィルムのパーフォレーションが千切れて空回りはまあ良くあることで、昔、海外のホテルで、私の機材を見た宿泊客が、カメラが壊れたようなんだけど、見てくれないかと言われたことがある。たまたまダークバックを持ってたので、入れて見たら、最後のコマで巻き上げたとき、力が強すぎて、このパーフォレーションがズタズタになったようだった。巻き戻して抜いて渡したら喜んでくれて、夕食の時にシャンパンを一本おごってくれた。さすがフランス人。
 デジタルになって、カメラが突然死することが二度あった。一度目は取材中、シャッター幕がどエライ音とともに砕けた。まあ、予備を持っているので慌てないで済んだけど。後日キヤノンに持ち込んだら、耐用回数には達していない、誠に申し訳ありません、だった。
次は電源部が飛んだ。スタジオでの撮影中だったので、これも実害無し。見てもらうと、熱のせいらしい。動画を始めたころだったのでそのせいのようだ。この熱のトラブルには純正ストロボでもあったが、カメラでもストロボでも、熱で止まるのには閉口する。

完全な自分のミス、ってことならペンタの6x7で、Xが1/30なのに、1/60で切って、半分真っ黒、ってこともあった。ストロボを使った分は全滅。駆け出しも駆け出しの最初の頃だったから、平身低頭、泣いて頼んで再撮影させてもらったが、ひどく落ち込んだ。レンズシャッターばかり使って来ていたし、見かけは135みたいな形状だから、はなから1/60でシンクロするという思い込みもあった。ま、言い訳ですな。

ひょっとしたらもっと酷い失敗もあったかもしれないが、あまりにひどすぎて奇麗に隠蔽されていると思うので、そっとして、ほじくらないでおきます。


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