ストロボ。
ストロボって聞くと、カメラの上に乗せる四角い、ぴかぴか光るアレ、と思うでしょうが、スタジオで使うのは大きな電源部(ジェネレーター)と発光部(ヘッド)が分かれてて、ケーブルでつながってます。ジェネ一台にヘッド2~3灯つなげて、希望のF値になるよう、距離や出力を調整して使います。今は小さなモノブロックやLEDのライトもあって、それもバッテリー駆動だったりで、ほんとに選択肢が増えて便利な世の中です。
昔話になりますが、私が子供の頃は、閃光電球という電球のような形状のものを調理器具のボウルのようなところに差し込んで、光らせるのモノが主流でしたが、これは被写体までの距離で絞りが幾つと箱に書いてあり、それに合わせて撮影してました。いわゆるガイドナンバーってのは、これのことで、iso100で1m離れて絞りが幾つになるかの数字でした。
さらに昔はマグネシウムの粉を装置に入れてライターの発火装置のようなもので点火して光らせるものもありました。これは付属のサジ一杯でF値幾つ、となってたようです。実際に使ったことはありませんが、現物は見たことがあります。今はもうロケでも、大型のストロボはほぼ持って出なくなり、ウエブ用なんかだと手軽にクリップオンで済ませています。もちろんカメラの上には載せず、スタンドに乗せたクリップオン2灯から3灯を、出力などを制御するコマンダーを使って、ですが。
このコマンダーの登場でこれまで電源のいるモノブロックや、積層電池駆動のグリップタイプのストロボなどを持ち込んでいた現場も、小さなクリップオンだけで行けるようになりました。
ところで、昔はブツ撮りの時、iso50前後のフィルムがほとんどでしたから、f22とか、32まで絞ろうとするとかなりの出力が要りました。宝石なんかだとクローズアップになるので露出倍数もかかり、フル出力でも足りない場合も良くありました。こんな時どうするかというと「回数炊き」というのをやります。スタジオを真っ暗にして、シャッターはバルブかタイムにセット。シャッターを切ったら、ストロボを希望のf値になるまで炊き続けます。たしか1回でf11なら2回で16、4回炊くと22でしたか。実際にはメーターでちゃんと測ってましたけど。風や振動で少しでも動くとズレて失敗します。また炊きすぎて熱でヘッドに被せたトレペが焦げたり燃えたりなんてこともありましたっけ。
*写真はほぼ30年物のジェネ。大きな修理も二回ほどしましたがまだ現役です。