発達障がいが多すぎない?
私が学生時代は「知的障がい」=「発達障がい」とされていた。
実習施設などに行くと「愛の手帳」の等級数で大体状況が把握できる感じがあった。
が、ここ15年位「発達障がい」という言葉が頻繁に使われるようになった。そして、多くの人が「発達障がい」にされている気がする。
さらに放課後等児童デイサービスなどの拡大も「発達障がい」を増加させる一翼になっている感じもする。田舎にいくと、この手のサービス事業所が多くて、そんなに「発達障がい」の人がいるのか?と思うくらいである。
昔なら「落ち着かない子」「変わった子」「ちょっと変」などといった子どもが「発達障がい」という枠に填められている感じが強い。「診断名」がついて安心する人が多い。しかし、この枠に填められると「発達障がい」だからというかたちで扱いを受けてしまって、さらに生きづらくなってしまうような気もする。さらに周囲が「あなた発達障がいじゃないの」といって受診を勧められて「発達障がい」になってしまうこともある。
この「発達障がい」に関しては非常に診断が難しい。私が関わった精神科医も同じようなことを言う。
あるときに患者様の件でお子さんに関わっている臨床心理士が医師の意見をききに来た。患者様とお子さんに関わりに関しての助言をもらおうとしたのだろう。そこで、心理士は
「お子さんは発達障がいだと思います・・・」
といった。そこで医師(精神保健指定医)は
「それ診断されたんですか?」
「いえ」
「じゃあ、そんなこと軽々しく言わんでくださいな」
さらに、
「発達障がいとか診断が難しいんですよ。それに安易にしないでくださいよ」
といった。普段は温厚なこの医師だったが、ここまでいっていた。私は正論だと思った。PSWも心理士も診断はできない。できるのは医師だけなのだ。
こういった医師ならいいが、患者様が「ネットでみたんですけど、私は発達障がいですか?」と医師にいう。ネットである程度の暗示にかかっていることも多いので、ネットのようなことをそのままいってしまう。そして「発達障がい」になるケースもあるのではないかと思う。
安易は診断は非常に危険である。
ネットや本、テレビでの情報に錯綜されてしまう今の時代。
すこし止まって考えてみたい。