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「NHKスペシャル 死亡退院 精神医療・闇の記録」に関して(3)
まだまだ収まらない私は粘着質なんだろうな。
前回と同じ引用から。
★ここから★
昨夜放送されたNHKスペシャル「死亡退院、精神医療·闇の記録」本放送:12月14日22時~22:49 再放送:12月18日0:35~1:24火曜日深夜放送
患者はベットに縛られて薬漬け‼️これは氷山の一角です。心の病は「死ぬ病気」では決してありません。患者をお薬漬けにしてお金に群がる医師‼️今は医は算術ですね。日本の精神医療の「闇」です。世界一精神病院が多い国‼️〇〇(地名)の相談者の方は精神病院から脱退しました。「今からタクシーで脱退します」と私に連絡‼️入院している方々がどんどんお薬漬けにされ、ベットに縛り付けられ口から泡を吹いている姿を見て、自分もここの病院に居たらあんな風にされる‼️と恐怖を覚えたと言われました。正しい選択でした。今は普通にご家族で幸せに暮らしていらっしゃいます。お薬の副作用の怖さを知れば大切な自分や愛する人を守れます。クスリはリスク💊です。お薬では病気は治せません‼️治せるのは自分の身体の中にある100人の名医「自然治癒力」です。
=ここまで=
A病院、U病院、K病院などなどの過去の問題を反省するのはいい。が、わざわざ蒸し返すことはいかがかと思う。
T病院は今は再生中。K病院は「いい病院」に変貌した。U病院は病床がかなり減った。前に行ったことがあるが、病院全体が明かりが暗い感じがする。
私は30年以上、支援側として何かしら精神医療と関わっている。
この手の偏見がある人に共通することは「精神科病院」を「精神病院」という。
さらに「薬漬けで廃人になる。私の知り合いがそうなった。」という。
私は人権団体と関わったことがあるが、病院での虐待や人権侵害や自分の意志ではない入院は断固戦う姿勢を見せていたが、精神科医療を否定することはなかった。中心に医療従事者がいることもあるだろう。
「自然治癒力」に頼って「統合失調症」が悪化したり、「うつ病」が悪化して最悪の事態を生むこともある。精神科医療はそういったことから患者様を守るものだ。
毎日玄米や炭酸水を食べてうつ病が治るのか?とよく思う。
これじゃ「精神疾患は悪霊を追い出せば治る」といっているヘンテコ牧師とかわらない。
話をもどそう。
この御方は精神科電気けいれん療法(ECT)に関して書いていないが、それを知ったら鬼の首を取った状態で暴れまくるに違いない。
ECTはうつ病に有効とされるが、反対する医師の方が多い。保険点数になっているが「マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を行った場合」2,800点(28,000円)、それ以外の場合(いわゆる精神安定剤だけで鎮静)は150点(1500円)である。いわゆる「完全装備」でないと儲からない。
また、「医は算術」とのたまうが、精神医療が稼げなくなっている。特に入院は縛りがすごいのだ。要は精神医療を知らないのだろう。
「薬漬け」に関しては、全国的に目を拡げていない。減薬をする沖縄は奄美は、だいたい2、3錠くらいしか処方されない。ある奄美にいた医師は「沖縄はジェントルな処方だ。」といっている。この地域では1970年代くらいから精神医療が志ある人達がいき、減薬、話をよく聴く、寄り添うことをしてきたのだ。
沖縄の精神医療のために従事した島成郎先生の本を読めばよくわかる。
精神医療のひとつの試み増補新装版
沖縄だけではない関西もだ。忘れてはいけないのはドラマにもなった安克昌先生。患者さんの話を聴く医療、阪神淡路大震災のPTSDに向き合った。その影響を受けた先生も多くいる。
安先生の著作
新増補版心の傷を癒すということ: 大災害と心のケア
関連書籍
精神科医・安克昌さんが遺したもの: 大震災、心の傷、家族との最後の日々
私の周囲にもいた。
S先生は70代の女医さんだった。病院以外にも自宅を診療所にしていた。
よく、妻との交際していたときに、モテモテだったことから良く浮気を疑った。喧嘩をして「こいつおかしい!先生に診てもらおう!」となってよくご自宅に伺った。話を聴いてくれて「しょうがないわね!」といって処方をくれた「あんたはこれでいい!」と。なんと総合ビタミン剤だった。
この先生は患者さんと向き合った。あるとき先生が8人乗りのワゴンを買った。免許のない先生は私に運転をさせてベイエリアに走らせた。新しくできたホテル。そこのエントランスまで行って戻った。「ここなら行かれるね!」そして数日後、患者様をつれてそのホテルに行った。患者様と先生でランチ。私は何かあった時用に車内で待機。無事にランチは終わる。
先生は「今日はごめんね。患者さんたちはね。一人でこんなところにいかれないでしょう。医者は一緒ならホテルも断らないでしょう。あなたは彼女と一緒にでも行かれるでしょう。」といって小遣いをくれた。
患者さんのために一生を尽くしたS先生。肺線維症が進行していた。HOTになって酸素をつけながら診察をした。「あんたも喘息でしょ。ステロイド使うの?私はステロイド漬けだよ。」とか話した。
ある日、午前の診察を終えて。「私帰るわ。」といって珍しくタクシーで帰った。その日の午後に眠るように先生は逝った。
逝くその日まで精神科医でいたんだ。
こんな先生がいる限り「精神科=悪」というのは言えない。
そういった偏見が精神に障がいを持つ人や患者さんを生きづらくしたり、治療を遅らせているんじゃないのか。
現場にはいい医者がたくさんいる。
精神科医療の歴史の中で悪よりも名もなき名医がいるのだ。
今回のNHKに出てくるA医師のような精神科医だけではない。