精神科の苦情
精神科の患者様やそのご家族からのご意見やご不満は多くある。
これは精神科でなくても医療機関でなくてもこういったことがあるのは当たり前なのだ。
前に若いPSWに対して患者様のご家族がミスに関してのご意見をされていた。お怒りになるのもわかる内容だった。女性職員だけで対応していたので私は後ろに立ってみていた。何かあったときに飛び出していかれるようにである。
ひとしきりが終わった。私は若いPSWに対応を助言しようとした。
若いPSWは慣れ切った顔で「あの方はいつもそうなので・・・」
と言い出した。私は閉口した。
これではいけないのだ。ミスに起因している「苦情」の場合はその「ミス」を徹底的に究明して、反省をして、二度とないようにする。そのために「インシデント」「アクシデント」のレポートがあるのである。それを「よくあること」と相手のせいにするのはいただけないのだ。
この若いPSW以外にも精神科では「患者様」や「ご家族」が「おかしい人」だからと片づけてしまうケースが多い。たしかに妄想対象だったり、精神運動興奮状態だったりすると、「症状」であることもある。しかし、それが「症状」であるなら「不穏」なわけだからちゃんと医療的な対応をしなくてはならない。
私が街中の精神科クリニックでソーシャルワーカーをしていたときに「患者様に耳を傾ける」ことを痛いほど患者様から学んだ。不穏なときはまずはお水でもお茶を飲んでいただき落ち着いていただく、そして話をじっくりときく。そして並行して主治医に状況を把握してもらう。そして情報を共有して「不穏」の根元を知る。そこから治療である。
精神医療、精神保健福祉従事者は患者様やご家族の声を真摯に受け止めなくてはいけないと思う。