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WWDC2022まとめ

こんにちは。
PHR事業開発部の大岡です。

Appleが年に一度開催している開発者向けイベント、WWDCが今年も開催されました。
たくさんの内容が発表されましたが、今回はスマホアプリやその開発に関連する部分をピックアップしてまとめていきます。

iOS16

iOS16の対応機種は次のとおりです。

iPhone 13 / mini / Pro / Pro Max​​
iPhone 12 / mini / Pro / Pro Max​
iPhone 11 / Pro / Pro Max​
iPhone XS / XS Max / XR​
iPhone X​
iPhone 8 / Plus​
iPhone SE(第2世代以降)

https://www.apple.com/jp/ios/ios-16-preview/

iOS15からは下記がサポート対象外になります。​

Phone 7 / 7 Plus​
iPhone 6s / 6s Plus​
iPhone SE(第1世代)​
iPod touch(第7世代)

ヘルスケア

ヘルスケアアプリ>ブラウズ>“ヘルスケア”のカテゴリに「投薬」が加わります。
主な機能はこちらです。

  • 服薬リストの作成・管理

  • 服薬のスケジュール設定・リマインド

  • 服用の記録

  • データを他の人と共有

  • 服薬のリストをPDFに書き出す

こちらの2つの機能は日本ではおそらく使えないと思われます。

  • 飲み合わせが悪い薬がある場合、新しい薬を追加する時に通知を受け取れる

  • 薬のパッケージをカメラで撮影して自動で追加

パスキー

iOS16から新しく追加される機能です。 TouchIDやFaceIDなどの生体認証を利用してパスキーを生成し、それを使ってログインするので、パスワードを考えたり、どこかにメモしておく必要もありません。
Apple、Google、Microsoftの3社はパスワードレス認証を進めていくと発表しています。

さらに、パスキーを作成しておけば、iPhoneを使ってApple以外のPCでログインできるようになります。
例えば、WindowsでChromeを使ってwebアプリにログインしたい時、次のようにしてログインできます。

  1. ユーザーネームやユーザーIDを入力​

  2. 上からアラートが出てくる​

  3. 「Add a new phone」をクリックするとQRコードが表示される

  4. QRコードをiPhoneで読み込む​

  5. iPhoneで生体認証が起動

  6. PCでログインできる

また、これまでのパスワードと同様に設定>パスワードからパスキーを管理したり、Air Dropで共有したりできるようです。


集中モード

ロック画面と集中モードを結びつけられるようになります。用途別の集中モードを対応するロック画面に設定し、切り替えることができるようになります。​
ロック画面で切り替えた集中モードはホーム画面にも反映されます。

フォーカスフィルター:各アプリ内で特定の情報を隠すことが可能になります。​
例)カレンダーアプリ:仕事モードの時は仕事の予定のみ表示、プライベートモードの時はプライベートの予定のみ表示。
アプリ実装の際に、フィルタリングの基準などを設定するようです。

開発関連

Store Kit

AppTransaction API:アプリの購入を確認するための新しいAPI​
デバイスでユーザーのアプリ内購入履歴全体を把握できたり、アプリ購入の情報を取得できます。アプリを最初にダウンロードした時のバージョンなども取得できます。​

新しいプロパティ​
Price locale:年間サブスクの1カ月あたりの費用
Environment:トランザクションまたは更新情報が発生した時のサーバー環境
Recent subscription start date :最近のサブスク開始日。途中サブスクを中断しても60日以内に再開した場合継続しているとみなされるので注意が必要です。​​

SwiftUI API:好きな名前の(一意な)オファーコードを作成できるようになりました。​​

StoreKit message API:アプリ側でメッセージリスナーを設定して、(サブスク料金の引き上げ同意などの)StoreKitメッセージが適切なタイミングでアプリに表示されるように制御できます。​何も設定しなければアプリを開いた時に表示されます。

App Store

App Review:App Store Connectでアプリを申請する際、iOS Appからアプリやアップデート内容を設定した後に、App Reviewから提出するようになりました。
1回の提出に、アプリとカスタムプロダクトページなど複数のアイテムを含めることができます。また、審査に引っかかった場合のやりとりもApp Reviewからできたり、複数申請して片方だけダメだった場合に、ダメだった方を提出から削除してOKだった方だけ審査プロセスを進めたりできます。

カスタムプロダクトページ:特定のターゲット向けにカスタムしたプロダクトページを作成できます。追加する際は審査への提出が必要で、アプリと独立して提出することも可能です。ただし、ガイドラインはアプリと同様のものが適用されます。
ページの承認後、各ページに固有のURLを設定できます。​URLの末尾にはプロダクトページID(ppid=xxxxxxxxx)というパラメータが付きます。 ​
App Storeで検索した際はデフォルトのプロダクトページが表示されますが、特定の広告などにカスタムプロダクトページのURLを紐付けるなどで直接そのページに飛ぶ、といった使い方をするようです。
iOS15以前のOS、プロダクトページを削除した場合はデフォルトのページに遷移します。
カスタムプロダクトページの他に、プロダクトページの最適化という機能もあります。両者の違いは次のようになっています。

開発者モード

Xcodeでビルドを実行したり、Apple Configuratorで.ipaファイルをインストールする際に、開発者であることを確認するよう明示的に要求するようになります。これは、ユーザーがデバイスに悪質な可能性のあるソフトウェアを気付かずにインストールすることを防ぎ、デベロッパ限定の機能を経由した攻撃を減らすためです。
開発者モードを有効にする手順:[設定]>[プライバシーとセキュリティ]>[開発者モード]をON>[再起動]をタップ​>再起動後、開発者モードがONになっていますがよろしいですか?といった内容のアラートが出るのでOKをタップ
開発者モードをONにしないと、ローカルでビルドしたアプリを開く際にアラートが表示され、アプリを開けません。

Xcode Cloud

Xcode、TestFlight、App Store Connectを組み合わせたCI/CDシステムです。アプリを自動的にビルド、テスト、配布し、変更を確認できます。
並列テストでは、現在提供されているすべてのAppleデバイスを​シミュレーションしたバージョンでテストを並列に行うことができるため、ビルド時間を短縮できます。​
この夏からサブスクが提供される予定です。

25時間 / 月:月額$14.99(2023年12月まで無料)
100時間 / 月:月額$44.99
250時間 / 月:月額$99.99
1000時間 / 月:月額$399.99

​時間の計算は並列で実施したアクションの合計でカウントされます。​
例)12分のテスト5回を並列で行った場合、テストは全体で12分で終わりますが、1時間で計算されます。

まとめ

WWDC2022で発表されたアプリ関連の情報をまとめてみました。その他の情報や、さらに詳しい情報はこちらをご覧ください。