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遠隔心臓リハビリテーション

遠隔心臓リハビリテーション
谷口達典
総合リハビリテーション Vol.50 No.4 2022.4 pp343-349

Key word:心臓リハビリテーション,遠隔医療,デジタルヘルス

今回の記事はこんな方にオススメ!

・e-Healthに興味のある方
・心臓リハビリテーションに興味のある方

今回はコロナ禍を機に更に注目を浴びるようになった遠隔医療についての記事を紹介します。遠隔医療はインフラの拡充、通信環境、患者側の受け入れなど様々な課題があると思います。

実際、どのようなシステムで稼働しているのでしょうか。ここでは心臓リハビリテーション(以下心リハ)について触れていきます。

【通所心リハvs在宅心リハ】

従来は入院中および、外来でのリハビリを行うといった施設を中心とした体制が主となっています。対面でのリハビリとなるため、同じ病気を持った仲間と出会うこともありモチベーション維持にも役立っています。ただし、アクセス面に問題がある患者がいる点にあります。

この問題に対して1980年代からすでに取り組まれており、患者宅への直接訪問、電話や郵便、遠隔通信システムなどの工夫がされてきました。通所心リハと在宅心リハの差については医療コスト、心イベントや運動耐容能、血圧などに差が見られないどころか、アドヒアランスの向上が見られています。

【デジタルヘルスに利用されるデバイス】

以下のものは記事内で紹介されているデバイスです。

「Abilify MyCite®」

医薬品にセンサーを組み合わせた、“digital pill”と呼ばれる製品です。錠剤にセンサーを
組み込み、体外から検知することで服薬状況を把握することが出来ます。そうすることでより適した治療と服薬アドヒアランス向上が期待されます。

「BlueStar®」

2型糖尿病患者に対する処方アプリです。

患者が血糖値を記録したり、入力された情報をもとに適切なタイミングでの疾患指導を行ったり、モチベーション維持に関するコーチングなどが行われます。

アプリ上では専門家へ質問したり、メッセージを受け取ったりすることもできます。BlueStar®の活用により患者1人あたり月平均250ドル以上の削減につながる可能性も期待されています。

ちなみに、Apple Watchは心電図計測機能があることでも知られていますが、アメリカでは認可を受けていますが、日本ではまだ医療用として使用することができません。

【ICTを利用した心リハ;リハモブ】

筆者らが開発を進める「リハモブ」は、在宅患者にシステムを提供(IoTエルゴメータ、ウェアラブル心電図、医療用アプリ)し、血圧や脈拍、心電図波形などをクラウドを介して医療者側に送信します。

医療者はその情報をもとにテレビ電話システムでリアルタイムでの問診や指導を行うことが出来ます。運動負荷量についても医療者側が制御することで、適切な有酸素運動を行うことができるのです。

このシステムを利用するために、高齢者はスマートフォンなどの通信機器に慣れていないことから、導入のハードルになる可能性があります。

これについては高齢者に対応したスマートフォンがあるように、使いやすいように工夫することが解決できそうです。もっとも、将来的にはスマートフォンを使い慣れた世代が高齢者となれば自然と解決できるかもしれません。

【Impressions】

新しいことを始めるためには何らかの課題が付きまとうのはどの事柄でも同じように感じます。遠隔医療についてはシステム面での話であったり、患者側の話であったり制度上の話であったりと課題が多いようです。

ただし、遠隔医療によってもたらされる健康に関する利益というのは莫大なものであると感じます。

今まで受けられなかった医療が受けられるようになる、そのためにも我々がエビデンス構築や知識のアップデートについて日々努めなければならないと強く考えさせられました。

●明日からできること!

・自身の持つ知識のアップデート!
・最新の知見(海外で行われている医療についての情報)を得る!

文責:テツ@永遠の若手理学療法士

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