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今月の主題聖句:

「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」新約聖書:マタイによる福音書7章12節

◯誕生日を祝う


 10年ほど前から独学でギターの練習を始めましたが一向に上手くなりません。最近はギターの上達を半ば諦めてウクレレをよく弾いています。同じ弦楽器でも弦の数が一本違うだけで格段に弾きやすいのがウクレレの良いところです。
 4月から十日町幼児園で働き始め、事務室に先生方の誕生日一覧表が貼ってあるのを見つけたので皆さんの誕生日にウクレレ演奏でお祝いしています。それは自分自身が誕生日を祝ってもらって恥ずかしい気持ちもある反面、うれしかったからです。

◯人にしてもらってうれしかったこと


 今月の聖書は「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」です。人にしてもらいたいこと、あるいは人からされてうれしかったことをあなたも人にしなさいとイエスは言います。何かをする時にまず自分がされてうれしいかを考えることはとても大切です。自分がされてうれしいと思わないことは人にもしないほうが良いです。私たちは自分がされて嫌だったことを人にもしてしまいがちです。例えば部活や職場で「自分が1年生(1年目)の頃はこれをさせられたから、あなたもしてください」というように。自分が嫌だと思う伝統は自分のところで終わらせる勇気を持ちましょう。そして自分がしてもらいたいこと、されてうれしいことを人にもしましょう。

◯こどもたちの姿に倣う


 園で子どもたちの様子を見ていると、自分が人にしてもらいたいこと、してもらってうれしかったことをお友達のために一所懸命にする姿がよく見られます。

 先月じゃがいも掘りに行きました。じゃがいもを収穫した後、畑を提供してくださった方がタンクに水を入れて持ってきてくださっていたので、土で汚れた手を洗いました。最初は先生がタンクのレバーをひねって水を出し、一人目の子が手を洗い、レバーを閉めました。手がきれいになった一人目の子は次のお友達のためにレバーをひねって水を出してあげます。2人目の子はそれで手を洗って虫取りに出かけました。3人目の子の番です。1人目の子がレバーをひねってあげるも手を一向に洗おうとしません。どうしてなのかなと様子を見ていると、どうやら自分でレバーをひねって水を出したいようです。そのことをレバーの開閉をしてくれている子に伝えると、しばらくは譲りませんでしたがやがて譲ってくれました。

 人にしてもらいたいこと、されてうれしいことを人にするのは基本的には良いことですが、時に自分がしてもらいたいことが相手にとってはされたくない場合があります。その時は両者で、あるいは誰かの助けを借りつつお互いの思いを伝え合い、みんなが過ごしやすい空間を作れば良いのです。

 大人になると嫌なことでも自分もされてきたことだからと人にもしてしまうことがあります。また自分がされてうれしかったことは他の人も絶対にされたらうれしいと思い込み、相手の考えを聞こうとしないことが残念ながらあります。こどたちの姿に倣ってみんなが過ごしやすい空間、関係を築いていきましょう。

園長 寒河江 健

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