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96時間(2008)

名優リーアム・ニーソンが孤高のアクションヒーローを大熱演
緊張感みなぎるタイムリミットサスペンス映画

『シンドラーのリスト』『マイケル・コリンズ』の名優リーアム・ニーソン主演のアクション・スリラー。シリアスな役柄でキャリアを築いたニーソンが、その重厚な個性を十分に活かし、しびれるほどカッコいいアクションヒーローを生み出しました。

【ストーリー】
ブライアン(リーアム・ニーソン)はアメリカ政府の元秘密工作員。別れた妻(ファムケ・ヤンセン)は一人娘のキム(マギー・グレイス)を連れて再婚しており、ブライアンは長年疎遠になっていたキムとの絆を修復するため、キムの17歳の誕生パーティに駆けつけます。しかし、精一杯の心を込めたプレゼントは、資産家の継父のプレゼントの前にかすんでしまいます。

ブライアンの悲哀と孤独がにじむ幕開けですが、離婚の原因はブライアンの危険な任務と自分の判断を押しとおす頑固な性格だったことが次第に明らかになります。と同時に、娘を心から愛するブライアンの切ないまでの親心も伝ってきます。

ブライアンは、キムが女友達とパリ旅行へ行くのを、キムの安全のために断固反対しますが、毎日、携電話で連絡することを条件に渋々許します。しかし、1回目の連絡の最中、友人とキムが何者かにさらわれてしまいます。

単身パリへ乗り込んだブライアンが、秘密工作員として体得した特殊技能を駆使して娘の行方を追う姿が描かれます。

人身売買マフィアによってさらわれたキムの身が保証されるのはわずか4日間と判明。電話越しで知り得たわずかな情報から、ブライアンがじわじわと犯人へ迫る様子はスリルと緊張感に満ち、見応えたっぷりです。

娘の救出の前に立ちはだかる悪漢を次々に殺していくブライアンの姿は無茶苦茶で狂気的にも映りますが、娘を思うあまりの行動と思えるのは、冒頭に丁寧に描かれたブライアンの境遇と、切れ味鋭いアクションをきびきびとこなすニーソンの渾身の演技の賜物です。

製作と共同脚本を手掛けるのはリュック・ベッソン。親子愛の物語としても、アクション映画としても上出来ですが、女性が憧れる華やかな街パリに潜む裏社会の実態を告発した点も大いに評価できます。

リーアム・ニーソンが“意外にも”アクションヒーローにはまり、本作は続編2作が製作されています。


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