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理想の彼氏(2009)
理想から抜け出した異色カップルが
教えてくれる大切なこと
誰でも理想的な恋人に巡り合いたいと思っているでしょう。でも、理想って一体何なのでしょうか?
本作は理想を追い求めてさ迷う人々に贈るロマンティックコメディ。理想通りの結婚生活が幻だった40歳のシングルマザーのケースを通して、理想の恋人について考えます。
【ストーリー】
40歳の専業主婦サンディ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は郊外の瀟洒な家で、年上の裕福な夫と2人の子供と共に平穏に暮らしていました。しかし、夫の浮気が発覚したことから離婚を決意し、小学生の子供たちを連れてニューヨークへ移り住みます。
一方、アラム(ジャスティン・バーサ)は24歳のフリーター。大学を卒業しても自立できずに両親と同居、おまけにグリーンカード目当てで彼と結婚した“妻”の裏切りを知っても、彼女のために離婚を悩んでいるような優しい、というか優柔不断な男です。
サンディはアパートや念願の仕事を決め、ブラインドデートにも挑戦し、第2の人生を前向きに歩き出す。アラムとはひょんなことで知り合い、ベビーシッターを頼むことに。そして2人は恋に落ちていきます。
まったく恋愛対象にはなかった男女が予想外の出来事を通して惹かれあう様子がとても自然に描かれています。サンディは身勝手で高慢な元夫にはないアラムの素朴さや温かさに惹かれます。でも、果たして、それがサンディの求めるものなのでしょうか?
自由と個人主義の国アメリカでも、女性が16歳も年上のカップルが異色に思われるのは意外ですが、この特殊な格差愛の行方が教えてくれるのは、既成概念や固定観念に囚われず、自分の価値観を持って生きることの大切さです。
自分がどう生きたいか考え、行動した後にこそ、素晴らしい未来が待っているのでしょう。その未来には、きっと理想の伴侶も含まれるはず。
サンディのおませな子供たちの言動など、軽妙なユーモアが満載された微笑ましいロマコメですが、キャラクターやメッセージは実に現実的。サンディやアラムならではの、一風変わった、しかし、まさしく理想的なラストに好感が持てます。
観終わった後、自分なりの愛、仕事、人生観について、改めて考えてみたくなるはずです。