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【本】山縣大樹著『帝国陸海軍の戦後史』
山縣大樹著『帝国陸海軍の戦後史 その解体・再編と旧軍エリート』の紹介です。
1 本書について
山縣大樹著『帝国陸海軍の戦後史 その解体・再編と旧軍エリート』(2020)九州大学出版会
山縣大樹:1988年生まれ。九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程修了、博士(比較社会文化)、現在、独立行政法人国立公文書館非常勤務職員
主要業績等は以下を参照
本書に関する書評等については以下がある。
2 要 旨
本書は、帝国陸海軍の解体と再編をめぐる一連の過程における「旧軍エリート」の動向を通じて、その特質、特に「政治性」を抽出し、それを戦後史のなかに位置づけることで、<帝国陸海軍の戦後史>を描き出そうと試みている。そのための分析対象として復員・恩給・再軍備の3つのケーススタディを用いている。本書の特徴は、戦後日本における政軍関係論、特に「帝国陸海軍の解体と再編」に関するこれまでの研究史を詳細にまとめるとともに、「軍隊」という非代替的な役割及び存在意義から、戦後においても政治性を持ち続けた陸海軍の「旧軍エリート」の動向を解明していることにある。
3 目 次
凡例
序章 課題と視角
一 問題の所在
ニ 占領史・戦後史研究のなかの帝国陸海軍
三 本書の課題と視角
四 本書の構成
第一章 敗戦と武装解除
はじめに
一 終戦と帝国陸海軍
ニ 旧陸軍と内地復員
三 旧海軍の艦艇処分
四 復員業務をめぐる復員組織職員の本文
おわりに
第ニ章 復員組織職員の職務と役割
はじめに
一 ニ復職員の基本的性格
ニ ニ復職員の公職留任をめぐるGHQ等の認識
三 占領期における公職留任の深層
四 一九五〇年代以降におけるニ復幹部の役割変化
おわりに
第3章 軍事恩給の復活過程ー「経済的非武装化」をめぐる衝撃と諸相ー
はじめに
一 敗戦後の軍人恩給停止
ニ 対日占領下における軍事援護の周辺
三 「画期」としての軍人恩給復活
おわりに
第四章 「反動」と旧軍人特権回復ー軍人恩給在職年数加算制度復活を事例としてー
はじめに
一 加算制の廃止と先送りの論理
ニ 軍恩全連の組織的性格と運動方法
三 加算制復活をめぐる軍恩全連の活動方針
四 自民党との連携と加算制の一部復活
おわりに
第五章 旧日本海軍グループの「空海軍」再建とその遺産
はじめに
一 旧日本海軍グループの活動前史
ニ 本格的再軍備計画の始動
三 ニ復案にみる海上自衛力組織の特徴
四「空海軍」構想の激化とその帰結
おわりに
終章 帝国陸海軍の解体・再編と旧軍エリート
一 アクターとしての特徴と役割
ニ 動向分析に見る特質とその位置付け
あとがき
註
参考文献一覧
索引
4 更に理解するための3冊
1 小林道彦、黒沢文貴著『日本政治史のなかの陸海軍』
2 日本陸軍戦争終結過程の研究
3 柴山太『日本再軍備への道』