母に死ねと言われた日。

まず、タイトルからメンヘラ感満載な記事を想像した人は安心してほしい。カフェで一人でぼーっとしてたら昔の母との些細な喧嘩を思い出しただけなのだ。

母とは一時期、特に仲が悪かった。会えば嫌味を言われ、自分はこんなに苦労してるのにお前は楽で良いなとかそういうところは父に似たなと何度も言われた。普段の母は落ち着いて静かな人なのだが、一度感情のスイッチが入ると収まるまで別人のようになる。また、始まったよと思っていつも受け流しているのだが、その日は特にイラついていたのか私の態度が気に食わなかったのか母は私に言ったのだ。

『死ね』

母からそんな直接的に言われたのは初めてだったので記憶の片隅で覚えていたのだろう。あるいは、思い出したくなかったから忘れていたのか自分でも分からない。

少なくとも母は私に死ねと言ったこの日の事を覚えてはいないと思う。感情のスイッチが切れた後の母は何事も無かったかのように私に接してくる。今でもそれは変わらない。母は本当に私に死んでほしいと思っているのだろうか。それは本音なのか直接聞き出したとしても否定されるのがオチだから言わないし、過ぎた事なのでどうでもいいと思っている。

一つ言いたいのは、あの日母に死ねと言われた日の私はきっともう何処にも居ないし、それは死んでいると言ってもいい。しかし、今の私は確かに存在して、息をして生きているので安心してほしいのだ。

今の私はあなたの子供として、一人の人間としてただ生きて、あなたの子供として死にたいのです。

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