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初海外旅行で一人で台湾に行ったら色々濃すぎた話。最終話

2/10、最終日の早朝。

私は寝付きが悪い方だが、今回はぐっすりと眠ることが出来た。歯を磨こうと思いベットから抜け出すとパンイチ2号が既に起きていた。昨日いた女性2人の荷物が見当たらないのでホテルを出たのだろう。歯を磨いて身支度してたらパンイチ2号に話しかけられる。

パンイチ2号「Are you from?」

とも「I'm from JAPAN!」

パンイチ2号「JAPAN!?it's good!」

今回のファーストコンタクトはパンイチペニーワイズとは違い、ワーストコンタクトにならずに済んだらしい。自己紹介やなんでここにいるのか色々話した。名前はリンさんといい台湾人で、台中から台北に泊まりで観光に来たらしい。日本にはかなりの頻度で来ているらしく、私が京都に住んでいると言ったら母親と祇園の街を着物を着て歩いたと言っていた。あまり関係ない話だが、私は普段私服で着物を着る。着物の格好の良さや前に話した近代の日本の歴史や文化が好きだからだ。私の着物姿の写真や京都の街の写真を見せたら喜んでいた。

リンさん「What time is the flight?」

とも「12o'clock、あー…What time is your hotel check out?」

拙い英語で言うと、そろそろ行くよと言って握手を求めてきた。不思議な感情だった。一晩同じ部屋で過ごしただけなのに寂しさや英語で会話出来ているという高揚感が入り混じっていた。台湾に来てからこんなに英語を話すのは初めてだ。中学生の時の英語の授業は只々退屈なものでしか無かったが、今はその英語で会話することが純粋に楽しかった。握手を交わし、別れを告げた。リンさんはもう一泊すると言っていたのでもう二度と会うこと無いだろう…。スーツケースを置いて部屋を出て行った。私は時間に余裕があったのでホテルを散策しようとしたら、リンさんが数秒で帰ってきた。忘れ物をしたらしい。

さっきの感動を返せと言いたかったが、笑って手を振って別れた。

18、また来ます!

リンさんと別れを告げ、昨日のフロア説明の時に聞いた6階へ。ここはフリースペースになっているらしく、椅子やキッチンがあって持ち込んだ食材で自由に自炊して食べることができる。冷蔵庫に英語や日本語で書き置きが貼ってある。コーヒーやオレンジジュース(オレンジジュースは不味かった)は無料で飲めるらしい。結構広かった。

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すると、ソファに腰掛けていたアジア人男性が笑顔で挨拶してくれた。こちらもGood morning!といって散策する。後から女性が来てその男性と話している。どうやら夫婦らしい。出掛ける前にその2人がSee you!と言うのでgood by!と別れを告げた。

テーブルを見るとノートとペンが置いてある。開いてみると、どうやら旅行者が感想を綴ったノートらしい。壁一面にも世界中から来た旅行者が貼ったであろうメッセージカードが、色とりどりに無機質な壁を彩らせていた。私は自然と席に座り、好きな青色のペンで自分の思いをノートとメッセージカードに綴ってからホテルをチェックアウトした。もしこのホテルに泊まりに来た際は、私のメッセージを探してみてほしい。

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19、フラグ回収

ホテルをチェックアウトした後はすぐ近くの電車に乗り、台湾桃園国際空港へ。電車から見える台湾の景色が寂しく見えた。

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空港に着いたら自分が搭乗する飛行機のチェックイン列に並ぶ。人がかなり混雑して時間がかかった。ようやく私の順番になり、受付にチェックインをお願いするが断られてしまった。やってしまった。どうやら隣の長い列だったらしい。あれだけ、しっかり確認しようと思った矢先にこれである。また一から並び直し、なんとかチェックインすることが出来た。大幅に時間をロストしたがまだ行けるだろうと思い、昼食をとることにした。空港内には様々な飲食店がある。私は早く食べ終わりそうなバーガーキングに入り、ハンバーガーを頼んで席を探す。混んでいる。時間が無いというのに座れそうに無い。すると、家族連れが同じようにハンバーガーを食べていた。その女性が空いてる席を指差して1人?此処で食べなさい!と台湾語で言ってくれた。谢谢!と言って急いで食べる。セットで頼んだのだが量が多い。満腹になったので捨てるくらいならあげようと思い、英語で話しかける。

とも「Present for you. Share by everyone」

家族全員「NO」

断られてしまった。メンタルがやられそうになったが、見ず知らずの他人に飯をやると言われても断るのが普通だ。あの日、ガーディのぬいぐるみを貰って投げ放った今なら尚更理解出来る。だが、さっきの女性が日本語でありがとうと言ってくれたので感謝の気持ちは伝わったらしい。台湾の人は本当に優しかった。時間が押してるので慌てて席を後にした。

20、谢谢!台湾!

急がねば。飛行機に搭乗出来ないなんて最悪のシナリオは避けねばならない。走って行きの空港同様、荷物検査などを済ませ搭乗口まで向かう。空港が広く、荷物検査の位置からかなり離れていた。走れ、走れ、走れ!

止まるんじゃねぇぞ…とオルガが頭の中で言っている気がした。

なんとかフライト30分前に到着し受付を済ませた。席の番号を確認し、飛行機に乗り込む。間に合った。急に力が抜け席で項垂れる。やけに日本語が上手い搭乗員が目に付いたが、そんな事はどうでも良かった。

初海外、初めての飛行機、初めてのゲストハウス、パンイチペニーワイズ、台湾で見た美しい景色や美味しい食べ物、旅で出会った人々。

何もかもが新鮮で心の底から夢中に楽しんでいた。旅は人を成長させるというが本当だと思う。何をやっても人並み以下の欠けた私が旅に出る理由は、多くの知らないものを見て自分の足りないものを探す為だったのかもしれない。飛行機のエンジン音が機内に響き、離陸準備に入る。今では何もかもが懐かしい。体がふわっと浮く感じがして、私は旅の疲れからか一瞬で眠りに就いた。

谢谢、台湾!


終わり。

ここまで読んでくれた方々、ありがとうございました! 自分用の記録や友達に読んでもらうために書いた日記がここまで多くの人に読まれるとは思わなかったです。メモや写真を頼りに書いたのですが、所々忘れていてたまにフィクションが入ったりしてます。パンイチペニーワイズ事件は全部事実です。(自分としてはフィクションであって欲しかった)
「初海外旅行で一人で台湾に行ったら色々濃すぎた話。第1話」がnote編集部さんに取り上げてもらって嬉しかったです。また、エッセイや日記を書いたら読んで下さい。本当にありがとうございました!谢谢!byとも

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