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腸内細菌(Bacteroides、大腸菌)も産生するビタミンKとは?

体内ではほとんど合成できないビタミンですが、例外もあり、その例外の1つビタミンDについて昨日は見てきました。今日は同じく例外の1つ、ビタミンKについて見て行きたいと思います。

ビタミンKについては、どうやら腸内細菌によっても作られるとのこと、非常に興味深いです。

そもそもビタミンは油になじみやすい脂溶性ビタミンと、水になじみやすい水溶性ビタミンに大別されます。ビタミンDとビタミンKはいずれも脂溶性です。

ビタミンKの由来が、血液凝固を意味する「Koagulation」にちなんでつけられたことから見て、血を止める効果があることは想像に難くありません。

天然のビタミンKには2種類あって、植物で作られるK1(フィロキノン)と細菌や動物体で作られるK2(メナキノン)があります。

画像はビタミンKを多く含む食材を載せていますが、多くが植物でフィロキノンです。この中では、鶏もも肉はメナキノン-4、納豆はメナキノン-7になります。

この中でビタミンK2のメナキノン-4は主に腸内細菌(Bacteroidesや大腸菌)により産生されます(画像にはありません)。仮に経口からビタミンKを摂取できなくても、成人の場合、もっと正確に言うとBacteroidesや大腸菌(悪玉でないもの)をそれなりに飼っている人は、ビタミンK不足にはなりません。

しかし、乳幼児でまだ腸内細菌叢が未熟である場合や抗生物質、抗菌剤等を投与した方は、言うまでもなくビタミンK不足に陥る可能性が高いと言うことになります。

腸内細菌、特にBacteroidesや大腸菌がビタミンK2の産生に関与し重大な働きをしているということは、もはや腸内に棲息している腸内細菌も人の臓器の一部と見てもいいのかもしれませんね。

そういう意味では、自分自身の腸内細菌がいまどのような状態なのかをしっかり把握し、どの腸内細菌に餌を与えるのか?を真剣に考えた方が良さそうです。