気管支拡張症:患者と医療システムにとって大きな経済的負担となっている

副鼻腔気管支症候群を含めればもっと大きな問題と思える。喘息、NTMや真菌併存などもあり、複雑な病態の一部だとも思うのだが・・・

The economic burden of bronchiectasis: a systematic review
Jack M. Roberts,et al.
Chest ,Published:July 07, 2023
DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2023.06.040

【背景】 気管支拡張症は、以前は顧みられることのなかった疾患であったが、現在では新たな研究対象として注目されている。成人における気管支拡張症の経済的・社会的負担について報告したシステマティックレビューは数少ないが、小児については皆無である。小児および成人における気管支拡張症の経済的負担を推定するために、このシステマティックレビューを実施した。
【研究課題】 成人および小児における気管支拡張症の医療資源利用と経済的負担はどの程度か?
【研究デザインと方法】 Embase、PubMed、Web of Science、Cochrane(臨床試験、レビュー、論説)、EconLitから、2001年1月1日~2022年10月10日の間に、成人および小児の気管支拡張症における経済的負担と医療利用に関する論文を抽出し、系統的レビューを行った。ナラティブシンセシスアプローチを利用し、数カ国の総コストを推定した。
【結果】 気管支拡張症患者の経済的負担および/または医療利用について報告した53の論文を同定した。成人患者1人当たりの年間総医療費は3579~82,545米ドルであり、主に入院費であった。
病気による逸失利益(5つの研究でのみ報告)を含む年間間接費は、1311-2898米ドルであった。
気管支拡張症の小児の総医療費は、推定した1つの研究で年間23,687米ドルであった。さらに、気管支拡張症の小児が年間12日学校を休んだという報告もある。
我々は、シンガポールの1億1,160万ドル/年から米国の146億8,000万ドル/年までの9カ国の年間総医療費を推定した。また、オーストラリアの小児における気管支拡張症の年間総医療費は1,777万米ドルと推定された。
【解釈】 このレビューは、患者と医療システムにとって気管支拡張症が大きな経済的負担となっていることを明らかにするものである。
気管支拡張症の小児とその家族にかかる費用を含めた初めての系統的レビューである。今後、小児および経済的に恵まれない地域社会における気管支拡張症の経済的影響を検討し、気管支拡張症が個人および地域社会に及ぼす間接的負担をさらに理解するための研究が必要である。

Translated with DeepL

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