COPD質問票(CAPTUREツール)+ピークフローによるCOPD検出感度・特異度
Discriminative Accuracy of the CAPTURE Tool for Identifying Chronic Obstructive Pulmonary Disease in US Primary Care Settings
Fernando J. Martinez, et al. ; for the CAPTURE Study Group
JAMA. 2023;329(6):490-501. doi:10.1001/jama.2023.0128
スクリーニング陽性は,"(1)CAPTURE質問票スコアが5または6,あるいは(2)質問票スコアが2,3または4で,かつピーク呼気流量が女性で250 L/min未満,男性で350 L/min未満と定義"した上で、臨床的に重要なCOPDと診断されていない被験者を対象に臨床的意義あるCOPDを検出する感度は48.2%(95%CI、38.6~57.9%)、特異度は88.6%(95%CI、87.6~89.6%)であったとのこと
ピークフローメーターするくらいならスパイロメトリすればいいじゃないかという気がするが・・・。アメリカプライマリ・ケアでは医療経済的に許さないんだろうな・・・
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各質問について、あなたに最も適した答えのボックスにXを記入してください。正解・不正解はなく、あなたにとって適切な答えのみを選んでください。
各質問にお答えください いいえ はい
1.あなたは今までに、汚れた空気や汚染された煙、副流煙、ほこりのある場所に住んだり働いたりしたことがありますか?❑ ❑
2. あなたの呼吸は季節や天候、空気の質によって変化しますか?❑ ❑
3. 重い荷物を運ぶ、土や雪を掘る、ジョギングをする、テニスをする、水泳をするなど、呼吸によって困難になることはありますか?❑ ❑
4. 同年代の人と比べて、あなたは疲れやすいですか?❑ ❑
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5. 過去12ヶ月の間に、風邪、気管支炎、肺炎のために仕事や学校、その他の活動を何回休んだことがありますか?0 1 2 またはそれ以上 ❑ ❑ ❑
未診断の呼吸器疾患と増悪リスクを特定するためのプライマリケアにおけるCOPDアセスメント *COPD Assessment in Primary Care
図 1. CAPTURE質問票(Chronic Obstructive Pulmonary Disease Assessment in Primary Care to Identify Undiagnosed Respiratory Disease and Exacerbation Risk)です。
Translated with DeepL
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キーポイント
【疑問点】 米国のプライマリケア患者において,診断されていない臨床的に重要なCOPDを特定するためのCAPTURE(【慢性閉塞性肺疾患】COPD Assessment in Primary Care To Identify Undiagnosed Respiratory Disease and Exacerbation Risk)スクリーニングツール(5問からなり,ピーク呼気流量を選択的に使用)の運用特性はどのようなものか。
【結果】 米国のプライマリケア患者4325人を対象とした本断面調査において、CAPTUREツールは、中等度の重症度の気流閉塞を示すスパイロメトリー結果や急性呼吸器疾患の既往を伴うと定義される臨床的に重要なCOPDを検出する感度48.2%、特異度88.6%を実証しました。
【意味】 米国のプライマリケアにおいて、CAPTUREスクリーニングツールは、診断されていない臨床的に重要なCOPDを特定するのに十分な性能を発揮しなかった。
要約
【重要性】 慢性閉塞性肺疾患(COPD)はプライマリケアで十分に診断されていない。
【目的】 臨床的に臨床的意義あるCOPDと診断されていない米国のプライマリケア患者を特定するためのCAPTURE(COPD Assessment in Primary Care To Identify Undiagnosed Respiratory Disease and Exacerbation Risk)スクリーニングツールの運用特性を評価することである。
【デザイン、設定、参加者】 この横断研究では、2018年10月12日から2022年4月1日の間に、米国内の7つのプライマリケア診療ベースの研究ネットワークにより、事前にCOPD診断を受けていない45歳~80歳の4679人のプライマリケア患者が登録された。CAPTURE質問票の回答、ピーク呼気流量、COPD Assessment Testスコア、急性呼吸器疾患の既往、人口統計、スパイロメトリー結果を収集した。
【曝露】 未診断の COPD。
【主要アウトカムと測定法】 主要アウトカムは、未診断の臨床的に重要なCOPD患者を特定するためのCAPTUREツールの感度と特異度であった。副次的アウトカムとして、臨床的に重要なCOPDのスクリーニング結果が陽性であると定義するための閾値を変化させた解析を行った。スクリーニング陽性は,(1)CAPTURE質問票スコアが5または6,あるいは(2)質問票スコアが2,3または4で,かつピーク呼気流量が女性で250 L/min未満,男性で350 L/min未満と定義された。臨床的意義あるCOPDは,スパイロメトリーで定義されたCOPD(気管支拡張後の強制呼気量[FEV1]と強制生命維持能力の比[FEV1:FVC]<0.70,気管支拡張前のFEV1:FVCは気管支拡張後の検査を行わなかった場合は0.65)とFEV1が予測値の60%未満であることや,過去12カ月以内に自己申告で急性呼吸器疾患の病歴があるとされた.
【結果】 解析に十分なデータが得られた4325例(63.0%が女性,平均年齢は61.6歳[SD,9.1歳])のうち,44.6%がタバコを吸ったことがあり,18.3%が喘息の診断または吸入呼吸器薬の使用の経験があり,13.2%が現在タバコを吸っていて,10.0%は少なくとも1つの心血管系の合併症を報告していた.臨床的に重要なCOPDと診断されていない110人(4325人の2.5%)のうち、53人がスクリーニングの結果陽性となり、感度は48.2%(95%CI、38.6~57.9%)、特異度は88.6%(95%CI、87.6~89.6%)であった。スクリーニングの陽性閾値を変化させた場合の受信者動作曲線下面積は、0.81(95%CI、0.77-0.85)であった。
【結論と意義】 この米国のプライマリケア集団において、CAPTUREスクリーニングツールは、中等度の重症度または急性呼吸器疾患の既往を伴う気流閉塞の存在によって定義される臨床的に重大なCOPDを同定する感度は低いが特異度は高いものであった。スクリーニングツールの性能を最適化し、その使用が臨床転帰に影響を与えるかどうかを理解するために、さらなる研究が必要である。