腎障害におけるDOAC vs warfarin:ClCr25以上なら標準量安全?
日本の添付文書だと、CrあるいはClCrにより用量減量すべき対象が決められている。ただ、承認過程のせいで、基準がばらばらになっているところもある。いずれにせよ、欧米に比べ用量少なく投与されている可能性がある。
基本的にイグザレルトは欧米との差異は現時点では少ないようで個人的には安心している。これも、今後、再検討されていくのであろう
Harrington, Josephine, Anthony P. Carnicelli, Kaiyuan Hua, Lars Wallentin, Manesh R. Patel, Stefan H. Hohnloser, Robert P. Giugliano, et al. “Direct Oral Anticoagulants Versus Warfarin Across the Spectrum of Kidney Function: Patient-Level Network Meta-Analyses From COMBINE AF.” Circulation, April 12, 2023, CIRCULATIONAHA.122.062752. https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.122.062752.
https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/CIRCULATIONAHA.122.062752
心房細動(AF)を対象とした主要な臨床試験のサブグループ解析において、標準用量の直接経口抗凝固薬(DOAC)は、腎機能障害を有する患者において低用量およびワルファリンのいずれよりも安全に優れていることが示された。「これらの結果は、CrClが25mL/min以上であれば、ワルファリンよりもDOACを使用することを支持し、脳卒中および全身性塞栓症の予防において、ガイドラインでサポートされた用量のDOACを処方することの重要性を強調する」と研究者は述べている。
心房細動による合併症のリスクが高いグループであるにもかかわらず、DOACの減量基準を満たさない腎機能障害患者が、抗凝固療法による出血やその他の合併症のリスクを低減するために減量されることがあまりにも多いとGranger氏のグループは指摘している
ダビガトラン(商品名:プラザキサカプセルetc.)の場合、CrCl>30mL/min(CrCl15-30mL/minの場合は減量)。(添付文書だと、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること[1)中等度腎障害(クレアチニンクリアランス30-50mL/min)のある患者)
エドキサバン(サベイサ)、リバーロキサバン(イグザレルト)の場合、CrCl>50mL/min(CrCl15~50mL/minの場合は減量)(添付文書だと、〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉非弁膜症性心房細動でクレアチニンクリアランス30~49mL/minの患者には、10mgを1日1回投与する)
アピキサバン(商品名:エリキュース)の場合、CrCl>25mL/min(高齢、低体重、腎機能低下の2つ以上の基準を満たす場合は用量調節が必要(添付文書だと、次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg 1日2回経口投与する。・80歳以上・体重60kg以下・血清クレアチニン1.5mg/dL以上)
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