PM2.5、PM10、NO2、SO2への曝露が、曝露直後の全脳卒中または虚血性脳卒中による緊急入院と関連

「有毒性と考えられる成分からの感受性のばらつきは、大気汚染への曝露を減らし、若年層や男性における脳卒中リスクを軽減するために、効果的な健康保護対策を実施することの重要性を浮き彫りにしています」と著者らは書いている。

Lv, Xin, Wanying Shi, Kun Yuan, Yangchang Zhang, Wangnan Cao, Chunrong Li, Lufei Xu, Lizhi Wu, Shengzhi SunとFeng Hong. 「Hourly Air Pollution Exposure and Emergency Hospital Admissions for St roke: A Multicenter Case-Crossover Study」. Stroke, 2023年10月30日, 10.1161/STROKEAHA.123.044191 . .

【背景】 日常的な大気汚染への曝露は脳卒中の罹患率および死亡率と関連しているが、1時間ごとの大気汚染物質への曝露と脳卒中およびその亜型による緊急入院のリスクとの関連は比較的未解明である。

【方法】 微小粒子状物質(PM2.5)、呼吸可能粒子状物質(PM10)、二酸化窒素(NO2)、二酸化硫黄(SO2)、オゾン(O3)、一酸化炭素(CO)の1時間ごとの濃度を中国国家環境モニタリングセンターから入手した。2016年1月1日から2021年12月31日の間に、中国浙江省の3都市(金華市、杭州市、舟山市)の10病院にわたる脳卒中による緊急入院患者86 635人を対象に、時間層別症例交差研究を実施した。条件付きロジスティック回帰と分布ラグ線形モデルを併用し、複数の大気汚染物質への1時間ごとの曝露と、全脳卒中、虚血性脳卒中、出血性脳卒中、および未判断型の緊急入院リスクとの関連を推定した。

【結果】 PM2.5、PM10、NO2、SO2への1時間ごとの曝露は、全脳卒中および虚血性脳卒中による入院リスクの増加と関連していた。この関連は、曝露の同時間帯に最も顕著であり、約2時間持続した。このリスクは、男性または65歳未満の患者でより顕著であった。

【結論】 COやO3ではなく、PM2.5、PM10、NO2、SO2への曝露が、曝露直後の全脳卒中または虚血性脳卒中による緊急入院と関連することが示唆された。的を絞った汚染物質排出削減対策を実施することは、脳卒中の発症を抑制し、その負担を軽減する上で、公衆衛生上重要な意味を持つ可能性がある。


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