DAPA-HF:基礎ET-1濃度高値は臨床転帰・腎機能低下速度と独立関連

Chronic Heart Failure With Reduced Ejection Fraction (HFrEF)において、ET-1がダパグリフロジン治療効果高低に無関係に予後と関連するというメーカーにとっては利益性のない話ともなりそうだが・・・ET-1と関連する因子のうち修正可能な肥満、左室駆出率、推定糸球体濾過量、機能状態への介入が必要そう・・・

Ern Yeoh, Su, Kieran F. Docherty, Ross T. Campbell, Pardeep S. Jhund, Ann Hammarstedt, Hiddo J.L. Heerspink, Petr Jarolim, et al. “Endothelin-1, Outcomes in Patients With Heart Failure and Reduced Ejection Fraction, and Effects of Dapagliflozin: Findings From DAPA-HF.” Circulation, April 11, 2023, CIRCULATIONAHA.122.063327. https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.122.063327.

https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/CIRCULATIONAHA.122.063327

【背景】ET-1(エンドセリン-1)は、心不全や腎臓病の病態生理に関与している。現代的な治療を受けている駆出率低下型心不全患者におけるその予後的重要性や腎機能との関連は不明である。DAPA-HF試験(Dapagliflozin and Prevention of Adverse Outcomes in Heart Failure)において、これらとET-1レベルに応じたダパグリフロジンの有効性を調査した。
【方法】NT-proBNP(N-terminal pro-B-type natriuretic peptide)を含む心不全の予後予測変数についてCoxモデルで調整し、主要アウトカム(心血管死または心不全悪化)の発生率、腎機能の変化、ベースラインのET-1濃度に応じたdapagliflozinの効果を検討しました。また、ET-1濃度に対するダパグリフロジンの効果も検討した。
【結果】全体として、3048人の参加者のベースラインのET-1測定値は、Tertile 1(T1; ≦3.28 pg/mL; n=1016)、T2(>3.28-4.41 pg/mL; n=1022)、T3(>4.41 pg/mL; n=1010)であった。
ET-1が高い患者は、男性であることが多く、肥満であることが多く、左室駆出率が低く、推定糸球体濾過量が低く、機能状態が悪く、NT-proBNPとhs-TnT(高感度トロポニンT)が高いことがわかった。
調整後のCoxモデルでは、ベースラインのET-1が高いほど、転帰の悪化および腎機能の急減と独立して関連していた(主要転帰の調整後ハザード比は、T3が1.95[95%CI、1.53-2.50]、T2が1.36[95%CI、1.06-1.75]、いずれもT1に対して;推測糸球体ろ過率の傾斜: T3, -3.19 [95% CI, -3.66 to -2.72] mL/min/1.73 m2/y, T2, -2.08 [95% CI, -2.52 to -1.63] and T1 -2.35 [95% CI, -2.79 to -1.91]; P=0.002).
ダパグリフロジンの有益性はベースラインのET-1にかかわらず一貫しており、ダパグリフロジンによるET-1のプラセボ補正後の減少量は0.13pg/mL(95% CI, 0.25-0.01;P=0.029 )であった。

【結論】ベースラインのET-1濃度が高いことは、臨床転帰の悪化および腎機能低下の速さと独立して関連していた。ダパグリフロジンの有益性は,測定されたET-1濃度の範囲内で一貫しており,ダパグリフロジンによる治療は,血清ET-1濃度のわずかな減少につながった.

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