猫アレルギーに対する減感作療法（IT）

2024年6月20日 09:26

Is Immunotherapy for Cat Allergy Effective? (medscape.com)

動物（特に猫）への減感作療法（IT）はほとんど処方されない。
アレルゲン免疫療法（IT）は効果が進化したのか、という疑問がある。
猫アレルギー患者に対する他の解決策について議論があった。
パスカル・デモリー医師はITを支持し、アラン・ディディエ医師は懐疑的な立場を取った。
ITに関する臨床試験は少なく、結果は一般的に否定的。
デモリー医師の指導のもと、EfficAPSI研究が行われ、前向きな結果が得られた。
国際および国内の推奨事項では、猫アレルギーに対するアレルゲンITが効果的とされている。
ディディエ医師は猫アレルギーに対するITの効果に疑問を呈し、他の解決策を提案。
ディディエ医師は、猫の飼い主が自己管理を行うことを提案。
猫を遠ざけたり、定期的に洗ったり、アレルゲンFel d 1を減少させる製品を使用することを推奨。
猫を治療する方法として、Fel d 1に対するワクチンの開発やIgYリッチな食事を与えることがある。
PurinaのPro Plan LiveClearキャットフードがアレルゲンを減少させることが推奨されている。
両医師は製薬会社との金銭的関係を開示。

Few Conclusive Data

猫アレルギーに対する減感作療法（IT）を試した臨床試験は少ない。12件が皮下投与、2件が舌下投与を調査している。これらの試験は被験者数が少なく（例えば250人）一般的に否定的な結果を示したとデモリー医師は述べている。「唯一の肯定的な試験は、鼻、眼、気管支、または猫アレルゲンを使用した暴露チャンバーでの誘発試験に基づいた効果基準を持つものです」と彼は言う。デモリー医師は、この種の研究は大規模に実施することが難しく、規制当局が市場向けの製品を承認する能力を制限すると指摘した。しかし、実生活での研究に依存し、生活の質を主な基準として使用することができると彼は述べた。

Real-Life Data

デモリー医師が主任研究者を務めたEfficAPSI研究では、フランスのアレルギー性鼻炎の患者（喘息の有無にかかわらず）10万人以上が舌下液体ITと対症療法薬で治療されました。さらに、アレルギー性鼻炎の患者（喘息の有無にかかわらず）33万人以上が対症療法薬のみで治療されました。

この研究はStallergenes社の資金提供を受け、2006年から2018年まで実施され、国の健康システムであるSNDSのデータに基づいていました。EfficAPSIは、ダニ、草、白樺、ブタクサの花粉、猫アレルゲンなど、広範囲のアレルゲンを対象としていました。結果はすべてのアレルゲンと年齢層において前向きで一貫していました。ITは喘息悪化のリスクを28％減少させ、重症例では37％に達しました。デモリー医師は、猫アレルギーに対して100 IRの濃度の滴下形態の舌下ITで治療された1902人の患者のサブグループ分析で特に興味深い結果が示されたことを指摘しました。

否定的な試験結果

このテーマに関する2022年の文献レビューの共著者として、ディディエ医師は異議を唱えました。…中略…

ディディエ医師は、猫に対する減感作療法を行わない理由を3つ挙げました。最初の理由は、ITの有効性がまだ確定していないことです。「ほとんどのIT試験は否定的な結果であり、特に舌下投与の試験がそうです」と彼は言いました。彼が唯一認めた試験は、二重盲検プラセボ対照のスペインの試験でした。しかし、この試験は被験者が少なく（各群25人）、34％の脱落率がありました。

この試験は暴露チャンバーで実施され、ITは有効でしたが、さらなる開発には至りませんでした。ディディエ医師は、2023年にStallergenesのために実施されたBVAの調査を引用し、猫に関する減感作療法の有用性についてアレルギー専門医自身があまり確信していないことを強調しました。これはダニの場合とは対照的です。

ディディエ医師が提案した三つ目の方法

最後に、ディディエ医師が提案した三つ目の方法は「人間を治療するのではなく、猫を治療する」というものでした。「Fel d 1に対する猫のワクチン接種など、いくつかの選択肢があります」と彼は言いました。このワクチンは現在開発中で、キュウリモザイクウイルスと関連するFel d 1の組換えタンパク質を含んでいます。これにより、猫の免疫反応を刺激し、抗Fel d 1免疫グロブリン（Ig）Gの生成が促進されます。

「結果は期待が持てます。この独自の組み合わせでワクチン接種を受けた猫の飼い主では、症状が改善する傾向があります」とディディエ医師は述べました。

もう一つの既存の解決策は、鶏が産む卵に含まれるIgYが豊富な食事を猫に与えることです。「猫の食事がIgYに富んでいる場合、Fel d 1の存在が減少します。特にFel d 1を多く生成する猫では効果が高まります」とディディエ医師は言いました。

Purina社はPro Plan LiveClearというキャットフードを開発しており、毎日の給餌の第三週目から平均47％、被毛とふけに含まれるアレルゲンを減少させます。この製品はフランスアレルギー予防協会により推奨されています。