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DAPA advKD:CKDステージ4~5の患者におけるダパグリフロジンの有効性・安全性
エンパグリフロジンの腎疾患進行および心血管死亡に対する効果を評価するEMPA-KIDNEY試験では、eGFRが20~45 mL/分/1.73 m²、または45~90 mL/分/1.73 m²で、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)が200 mg/g以上の患者を対象としているが、DAPA advKD試験では、eGFRが10~30 mL/分/1.73 m²の患者で、年率2.5 mL/分/1.73 m²以上の持続的なeGFR低下が認められる患者を登録
以下に、ダパグリフロジンの慢性腎疾患(CKD)における有効性を示した研究についての要点を箇条書きでまとめます。
対象患者: CKDステージ4~5の患者、特にeGFRが20 mL/分/1.73 m²未満の患者も含む。
試験内容: ダパグリフロジン5~10 mg/日と統合CKDケアの併用群(120例)と、統合CKDケア単独群(60例)に無作為に割り付け。
主要アウトカム:
eGFRスロープの変化は、ダパグリフロジン群で-2.37、統合ケア群で-3.58(P = 0.019)。
腎代替療法や心血管死亡などの複合アウトカムでは、ダパグリフロジン群が統合ケア群よりも有意に発生率が低い(P = 0.005)。
副次的アウトカム:
AKIや心不全を含む複合アウトカムで、ダパグリフロジン群の発生率が統合ケア群よりも有意に低い(P = 0.008)。
主要な心血管イベントや心不全の入院など、両群で有意な差は認められなかった。
安全性:
重篤な有害事象の発生率は、ダパグリフロジン群31.2%、統合ケア群40%。
脱水症、急性eGFR低下、糖尿病性ケトアシドーシスの発生は少なく、統計的に有意な差はなかった。
研究の意義:
ダパグリフロジンは進行したCKD患者に対しても安全で、腎機能保持や腎代替療法の開始遅延に寄与する可能性がある。
CKDステージ4~5の患者におけるダパグリフロジンの有効性についての新たな証拠を提供し、eGFRが20 mL/分/1.73 m²未満の患者でも治療が可能であることを示唆。