サイクリングは心血管の健康や筋力向上に有益である一方で、骨密度に対して潜在的な負の影響がある
火野正平さんの訃報に、、『にっぽん縦断 こころ旅』のファンだった私としてはショックだった。お悔やみを申し上げるとともに、楽しい番組ありがとうと述べたい。火野さんの直接の死因は知る由もないのでそれに関しては明言を避けたいのだが、ちょっと以前から気になることがある。
自転車関連スポーツは楽しいし心肺トレーニングとしても優秀なのだが、骨密度に関しては注意を喚起したいと思う。
サイクリングは心血管の健康や筋力向上に有益である一方で、骨密度に対して潜在的な負の影響があると関連付けられている。科学的なエビデンスによれば、特に集中的にトレーニングを行うサイクリストは、他のアスリートや非運動者と比較して骨密度（BMD）が低いリスクがあることが示唆されている[1][2]。
主な研究結果
2023年に Medicine & Science in Sports & Exercise 誌で発表された研究では、キャリアの異なる段階にあるエリートサイクリストの骨密度スコアを調査した。この結果、以下のことが明らかになった：
男性の現役サイクリストの64％が骨密度低下を示した
女性の初期および現役キャリアのサイクリストの45％が骨密度低下を示した
男性の初期キャリアのサイクリストの27％が骨密度低下を示した
男性の引退後キャリアのサイクリストの50％が骨密度低下を示した[1]
これらの結果は、サイクリングが低衝撃のスポーツであるため、骨の健康に強い恩恵をもたらさないという従来の研究を裏付けるものである[1]。
サイクリストにおける骨密度低下の理由
サイクリストが骨密度低下を引き起こしやすい要因として、以下のことが挙げられる：
非荷重性の運動であること：サイクリングは非荷重性の活動であり、骨強化を刺激するために必要な強い地面反作用力を生み出さない[1][3]。
長時間のトレーニング：サイクリングに多くの時間を費やすことで、骨を強化する活動に割く時間が少なくなる可能性がある[1]。
低体重：サイクリストはしばしば体重が軽い傾向があり、これは骨粗鬆症や骨減少症のリスク要因となる[3]。
回復期間中の習慣：サイクリストは回復期間中に荷重性の活動を避ける傾向がある[3]。
サイクリストへの推奨
サイクリングが骨の健康に与える潜在的な負の影響を緩和するために、専門家は以下の戦略を推奨している：
高衝撃の活動を取り入れる：縄跳びなどのジャンプ運動を、1日約5分または隔日で短時間実施する[1][4]。
筋力トレーニング：荷重性の運動やレジスタンストレーニングをフィットネスルーチンに組み込む[1][3][4]。
健康的なBMIを維持する：極端な低体重を避けることで、骨密度の問題を予防する[1]。
骨密度の検査：定期的な骨密度検査を受けることで、変化を監視し、必要に応じて早期介入を行う[4]。
栄養管理：カルシウム、ビタミンD、マグネシウム、カリウム、ビタミンKなど、骨密度を高めることが示されている栄養素を十分に摂取する[1]。
これらの推奨を実践することで、サイクリストはスポーツを楽しみながら、骨の健康を維持し、骨粗鬆症や関連する骨折のリスクを低減するための積極的な対策を講じることができる。
Citations:
[1] https://www.bicycling.com/health-nutrition/a43540187/everything-you-need-to-know-about-bone-health/
[2] https://www.fasttalklabs.com/physiology/the-effects-of-cycling-on-bone-health/
[3] https://www.trainingpeaks.com/blog/why-cycling-is-bad-for-bone-density-and-how-you-can-improve-it/
[4] https://selleanatomica.com/blogs/homepage-blog/what-you-should-know-about-cycling-bone-density
[5] https://www.getwellen.com/well-guide/cycling-and-osteoporosis
[6] https://bmcmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/1741-7015-10-168
[7] https://www.outsideonline.com/health/training-performance/cyclists-low-bone-density/
[8]