許された子どもたち
いじめの果てに相手を殺してしまった少年とその家族を描いた映画。
キーワードは「当事者の気持ちの不在」でしょうか。
「子どもの更正に期待する」という理由で処分を避けた結果、罪の重さを見つめる機会が奪われてしまう。
「子どもを信じる」という母親の姿勢は一面では美しく見えるが、反省や成長を妨げてしまう。
正義感を振りかざすネット上の誹謗中傷の矛先は、被害者家族にも向かう。
現実に起きていることにもリンクする展開には「こういうことなんだよな」と自分のなかにストンと落ちる感じがした。
少年少女の青春映画的な側面もあり、監督の前作ミスミソウが好きな自分の琴線に触れるものがあった。
過酷な状況におけるボーイミーツガールものは無条件に良いと思ってしまうのです。
登場人物の表情が印象的な映画でもありました。