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0137 - 残っていることの価値

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地元では毎年10月にお祭りを開催している。各地区ごとに公民館に集まって飲み食いしたり屋台(山車)を引いて町内を練り歩いたりな『地域行事』の1つなので規模は小さいが、おじいちゃんおばあちゃんから小さな子供までが顔を揃えて賑やかに行われる。

自分の住んでいる地区は周辺に比べて特に規模が小さめで人数も少ない。そんな事情もあってか、他地区の屋台がどんどん新しくなっていく中、かなり長い間、古きオンボロ屋台を引いて練り歩いていた。昔は正直『ヤダな、カッコ悪いな、恥ずかしいな』と感じていた。

さすがに耐久性に問題が生じてきたようで数年前に屋台を新調。むしろ現在は他地域よりもキレイな屋台を引いて練り歩く地区になった。古いオンボロ屋台は(解体処分するにもお金がかかるという理由から?)隣町の空き倉庫に運ばれて保管(というか放置)されている。

そんな古い屋台が、突然『歴史的価値の高い物ではないか』と持ち上げられ出したのだ。

早速、担当者の方々が、我が実家の祖父(97歳)に当時の話を聞きにやってきた。僕はその場に居合わせていないため詳しい内容まで掴めていないが、木のはめ合わせ方などが昔の大工が施す職人的な技(匠の技)によるものだとかナントカ。それが現存しているのがとても貴重だとかナントカ。

自分も含め地元の人たちは、古くてボロくて嫌だなと文句ばかりつけていた屋台だけど、まさかまさかの展開である。なんだか申し訳なし。この屋台も、祖父の話も、誰かの何かのお役に立つことを願っております。

で、この件について感じたことは大きく3つ。

1.)改めて『ところ変われば価値は変わる』ってことを痛感
2.)写真1枚でも簡単なメモでも『記録を残す』って大事
3.)今後あらゆる物がデジタルなコンテンツに移行した場合、風化する前提の『なるべく当時に近いカタチで残っていること』の価値や尊さって生まれるのだろうか?

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