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0473 - 他人が無意識にやっている行動に、さりげなく変化を与えていた頃の話

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2000年前後。当時、東京暮らしをしていた僕にとって「密かな趣味」になっていたことがあった。それは、他人が「無意識にやっている行動」にさりげなく変化を与える、というもの。

【例えば】
電車移動中。座って本を読んでいる僕の隣に座る人物のイヤホンから音漏れがしていた。聴いている本人は周りに迷惑をかけているという自覚が無いはずだ。でなければ音量を下げるので。
直接注意するほどでも無いけど、できれば音量を下げてもらいたいなと思い、読んでいる本から目を離すことなく、音漏れさんの方向の耳を指で塞ぎ、塞いでいることが視界に入るように前傾姿勢になって本を読む。すると、隣の人はハッと気付いて音量を下げてくれた。

【例えば】
高層ビルの中にある会社に勤めていた時のこと。出勤時間や昼休憩の時は必然的にエレベーターが混雑する。ほぼ満員のエレベーターだが会話ゼロでとても静か。
ある時、乗っている全員が、上部にある階数表示に視線を向けていることに気づいた。他に見るものが無いし「早く着かないかなー」という心理も働くだろうし、それはそれで問題無い。
ある時、仕事仲間と一緒に満員エレベーターへ乗った時、周りにほんのり聞こえるレベルで「エレベーターに乗ると、みんな上の表示を見るよね」と、わざと呟いてみた。すると、乗っている全員が視線を下に向けたのだった。

【例えば】
一時期勤めていた会社の近くにあった蕎麦屋が大好きで、お昼に毎日通っていた時期があった。毎日同じ時間にお店に行くと、毎日必ず見かける人物がいた。4人用テーブルで相席になる率が高く、僕はいつも『ざるそば三枚盛り』を、相席さんは『蕎麦屋のカツカレー』を食べていた。
完全に自己満足なボケだが、ざるそばを食べる際には、ふぅー、ふぅーっと、熱さを冷ますような素振りを見せて食べるようにしていた。数日後、いつもカツカレーを頼んでいた相席さんが『ざるそば三枚盛り』を頼み、その一口目に恐る恐る、ふぅーっと息を吹きかけた時は、心の中でガッツポーズを決めた。

ふと思い出した過去エピソードの数々。反省と成仏の意味を込めて、ここに書き記しておきます。

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