詩を作るということについての一省察
全く無感覚な人間どもの遠吠えが
臆面もなく響き渡る世の中で
俺は俺という死骸を一つ見つけた
縮こまり暖かく純粋で
開かれたまなこは木々の揺らぎを見る
まるで赤子のように
やわらかい頬がふんわりと
産毛がすべてを覆い手は泥だらけ
涙がみずみずしく流れる
墓石たちを見て
遠くのビル群を見て
俺は
両手で顔をおおった
さらば今日、来たれ明日
光りの満ちる川辺で
俺は一人真実という釣り糸を垂らす
恐ろしくもはかなげでどこかいたいけな
悲しみすら包み込んでしまう頭陀袋を
そっとかぶせた
野犬たちが集まり
俺は
密かな手渡しをした