己の弱みを受け止めるという強さ
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
今日は、高崎経済大学の若林ゼミの1コマを使わせていただいて、『オンライン哲学対話in若林ゼミ』を実施させていただきました。
参加していただいた2・3年生の皆さん、ありがとうございました。
本日のテーマは、ゼミの内容とも関連する物をと思い、「組織とは?」で実施しました。
学生の皆さんには、様々な問いを出していただき、たくさん出た中で多数決を行い、この問いで哲学対話を始める事になりました。
問い
「組織においてどんな魅力や能力を持っている人と一緒に働きたいか?」
ゼミ生総勢17名を、ZOOMのグループディスカッション機能で、2手に分け、それぞれこの問いから哲学対話を開始です。
若林ゼミでは、昨年度、オフラインでも哲学対話をやらせていただいたんですが、その時に参加してくれていた当時2年生の学生さん達が、今回の3年生なので、哲学対話経験者と未経験者が混在しての実施でしたが、未経験者には未経験者なりの、経験者には経験者なりの、取組む姿勢などが垣間見えたりして、運営側としてもなかなか面白かったなあと思っています。
それに加えて、学生のみなさんがとても若々しくて(当たり前なんですけど)、PCの画面越しであっても「未来への可能性」に溢れているなあと感じました。
学生だけのオンライン哲学対話も、いつもと違った面白さがありますね。
そんな中で、僕の印象に残っているのは、ある学生さんが話してくれたこんな内容です。
話の流れで、『組織』で一緒に働く人として「どんな人と一緒だと安心か?」という話に及んだ時に、
「自分より“出来る人”の中にいると、自分が“出来ない”というのが突き付けられて、劣等感を感じちゃうから自分と同じくらいの人達と一緒にいる方が安心する」
と話してくれました。
この話を聞いた時に、僕は、「この学生さんは、自分の中に生じる“劣等感”を正面から受け止めて、『それが何故出てくるのか?』までしっかり見極めているんだなあ」というのと、「その裏側に見え隠れしている“もっと他の何か”についても、自分自身でしっかり感じ取っているんだろうなあ。とても内省的な学生さんなのかも」と感じて、とても印象に残っています。
こんな風に、「自分の“弱さ”にしっかり目を向けて受け止める」というのは、なかなか難しい事だというのを、僕はこの45年近い人生での様々な経験(主にネガティブなヤツ)を通じたからこそ体感し、ようやくわかってきた感じがしています。
そんな愚鈍な僕と比べられてしまうのは、この学生さんにとっては不名誉かもしれませんが、これを若干20歳くらいの年齢で「実感として体得している」というのは、これから「学生という枠組みの外側」に出ていった時に、物凄くアドバンテージがあるんじゃないかなと思っています。
なにしろ、「『自分の“弱さ”にしっかり目を向けて受け止める』をしない事で、本質的なアプローチが出来ず全く見当違いなアプローチを続け『上手くいかない』という結果を己が身で受け止め続ける」という、世にも恐ろしいループに遭遇する可能性がかなり低くなるわけです。
つまり、内省的な人は、ロナルド・A・ハイフェッツの言う「技術的問題」と「適応課題」のすり替えをすることなく、「技術的問題」と「適応課題」をきっちりと切り分けて考え、「適応課題」に対して真っすぐに取り組む事ができる可能性がとても高いわけですから。
もちろん、「適応課題」に取り組み、それを越えていくというのは、誰にとってもどんな事柄であっても「大変」ですが、そこに向かうまでに消耗するケースが少なくなるから、必然的に精神的にも肉体的にも振り分けられるリソースが多くなるという事でもあるので、当然、課題を越えていく可能性も高くなるということです。
「自分の“弱さ”にしっかり目を向けて受け止める」というのは、とても怖いし、とても辛いし、とても苦しいし、とても悲しいし、とても情けないし、とても逃げ出したくなります。
それに、例えこれらをなんとか乗り越えたとしても、「自分の“弱さ”にしっかり目を向けて受け止める」をしたとすると、その次に待ち受けているのは、それよりも「もっと大変な事」であるのが容易に予想できてしまいます。
だからこそ、「自分の“弱さ”」に気付かないふりをして、そんな“弱さ”なんて無かったことにして、それ以外の“何だかよくわからないモノ”を自分の中心に据えてしまって、それを最初からそこに置いてあったことにしたりして。
そうすると、自分自身についての様々な「現状」の意味が、あたかも自分にとって「扱いやすい状態」に変化したような気がしてきます。
これは、僕の実体験でもそうでしたし、これまでに仕事やそれ以外で出会った「何だかうまくいってない感じ」を抱えている人達とじっくり対話をすると見えてきた事でもあります。
そんな、「何だかうまくいってない感じ」を乗り越えるには、最初のステップである「自分の“弱さ”にしっかり目を向けて受け止める」をクリアしないで先に進んでしまおうとすると、「色々やってるのに、やっぱり何だかうまくいってない感じ」に進化していっちゃったりして、そうすると、もう、得も言われぬような酸欠状態にも似た苦しい状況に陥ったりなんかして…。
そんな、昔の自分(今もそんなに変わらないかもしれないけど)や、昔に出会った人達や、最近の自分を思い出したりしながら、みんなの話を聞きつつ、自分の中の「技術的問題」と「適応課題」は何だろうなどと、今の自分自身に想いを馳せたりしていました。
そんなこんなで、今日の『オンライン哲学対話in若林ゼミ』を楽しく、無事に、終える事ができました。
若林先生、若林ゼミの学生の皆さん、本日はありがとうございました。
またお会いできるのを楽しみにしています。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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