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対話の実践in子ども社会編

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「言われたとおりにやってみたらうまくいったよ」

子どもが、ご飯の時間に突然そんな話をしてきました。

「言われたとおり」とは一体何の事だろう?と思って、子どもの話を聞いてみました。
すると、以前から時々話していた、友達とのイザコザ(?)についての話でした。

以前から、同じクラスの子の中が突然叩いてきたり、前触れも無く悪口を言ってくる子がいるらしく(あくまでも、ウチの子の自己申告なので真偽は不明)、何か言われたり手を出されたりする度に大きな声で文句を言い返しているとの事でした。

そんな事が頻繁にあるようで、ウチの子なりに結構なストレスを感じているらしく、「今度そんな事やってきたらやり返してやろうと思ってるんだ」なんて血気盛んな発言を、よくしていました(とは言え「やり返した」という実績は未だかつて無いようですが)。

そんな話をする事がよくあり、「もしそうされたら自分ならどうする?」と聞いてくるので、その度に、「まずは、「やめて」と「嫌だ」を伝えて、それでも止まらなきゃ先生に言うというのはどうか」と伝えたりしていました。

すると、決まって返ってくるのが、「先生に言うと、「お互いに話し合え」と言われるだけで、そのあと話し合いが長く続くだけだから先生には言わない。そもそも自分は悪いことしてないんだから。そんなのおかしい」というような話をするわけです。

「それは、なかなか大変だろうな」と思いつつ、「じゃあ、相手に聞いてみたらいいんじゃない?」と付け足していたんです。
「何を聞くの?」と、子どもが言うので、決まって言っていたのはこんな事でした。

「なんでそういう事をする(言う)の?」

と、自分だったらそう聞いてみると伝えていました。
そう伝えると、だいたい決まって、「ふーん」と言って話しが終わるか、憤りが強い時には「だけど、いきなりやってくるんだよ、自分は何もしてないのに」と、興奮冷めやらぬ状態で堂々巡りになったりするか、そんな感じで話しは終わっていくのが通例でした。

先日も、いつもと同じようなやり取りをしたんですが、その時はどうやらいつも以上に憤っていたようで、その話がそこで終わらず続いたので、僕も伝える内容をいつもよりも増やしてみました。

その時、「なぜ相手が嫌な事を言ってきたり、叩いてくるのか?」について解説をしてみました。

端的に言うと、「あなたに対する“煽り”だ」という旨の話をしてみたんです。

「その子は、自分がする“煽り”行為に、あなたが“反応”してくるのを楽しんでいる」という事を伝えました(もちろん、“煽り”なんて言葉は使っていませんが)。
と言うことは、「その子が考えている“煽り”に対しての反応を、あなたが“しない”事によって、相手の“(邪悪な)期待”とか“(邪悪な)予想”とかを、全て「裏切る=スルーする」事によって、相手が(意図しているのかしていないのかはわからないけど)仕掛けてきている“勝負”に乗らない事ができる。

つまり、「相手が仕掛けてきている“相手のルールと土俵で行う事を強要している戦争”に、巻き込まれない(=相手のルールを採用せず自分のルールによって受けて立つ)という事によって、“闘わずして完勝”できる唯一の方法だ」という事を伝えました。

“煽り”に対して、「感情的になる」とか「同じ土俵でやり返す」とかって言うのは、その後の結果がどうなるかはわかりません。
例え、その戦争を受けて立つ側が、どれだけ知識や技量や度胸があっても、その戦争のルールを仕掛けてきた側が自分に都合の良いように、時々の状況によってどんどん変えていくのは、色んなところで起きている様々な形態で行われてきた(行われている)“戦争”の実態だと僕は考えています。

であれば、“煽り”という戦争を仕掛けてくる輩に対しては、「なぜそんな事をするのか?」というような「問い」を投げる事で、原理的に「闘わずして完勝する」事が出来てしまいます。

なぜなら、“煽り”から始まっているので、その“煽り”に乗らない=煽られない事で、こちら側に1つ勝ち星が付くわけです。正確に言えば、“戦争”は始まらなかったので、「仕掛けてきた相手が勝ち星を得る事ができなかった」という表現になるかもしれませんが、後述する構造の通り、相手は「こちら側の了承も無く一方的なルールで“戦争”を仕掛けてきている」わけなので、それを成立させないという事は、こちら側の完勝であるわけです。

“完勝”なので、当然ながら、この時点で既に勝っているんですが、その後に更に追い打ちをかけるわけです。まあ、追い打ちと言っても“攻撃”では有りませんので、「闘わずして」を忠実に守る事もできるわけなんですが。

その追い打ちとは、「問い」です。
「なぜそんな事をするのか?」という「問い」を投げる事で、ルールが書き換わります。

これの構造を見ていくとこんな感じでしょうか。

・相手が“煽り”によって仕掛けてきた、この“戦争”は、当初、相手が“煽る”事で先手を取っている。
・その相手が仕掛けてきた“煽り”という先手に対して、こちら側が“反応をする”という“受け”を強要されているルールが、こちら側の同意も無しに採用されている状態。
・しかも、“煽り”から始まるこの“戦争”は、受け手であるこちら側が、つい感情的になって言い返したり、手を出されたことに対してやり返したりすると、相手に対してそれ以上の攻撃を許可する事になるというルール。
・これらのルールを踏まえた上で、“煽り”を行う先手側は、最初の“煽り”を楽しみにしている。次に、相手の“反応”を楽しみにしている。そして、相手側の“反撃”に対して(本来は正当性の欠片も無いはずの)大義名分を持って“返り討ち”という更なる加撃をする事を楽しみにしている。最終的には、その結果、相手を“屈服”させる事を楽しみにしている。
・そこまでを見越して仕掛けてきている“煽り”を受け流しつつ、「問い」を投げる事によって、あらゆるルールを書き換えて、「問い」について“考える”という行為を促す。
・「問い」について“考える”をした相手は、「問い」についての何らかの考えを述べる。だけど、“考える”をしない(=できない)相手がしてくるのは数パターンの中の何らかの行動(“煽り”を再度行う・逃げる・暴言・暴力)。
・相手の行動に合わせた対応を行う(“煽り”→再度「問い」・逃げる→完勝・暴言→再度「問い」・暴力→振るわれる兆候が出たら周囲の人(特に大人)を頼り暴力を振るわせない)。
・闘わずして完勝。

これが、この“戦争”と“闘わずして完勝”の構造なのかなと思っているんです。
だけど、こうやって構造化してみると、自分が望んでもいないのに仕掛けられるこの“戦争”って、めちゃくちゃに理不尽なシステムだなあと思うわけです。

更に思うのは、こんな理不尽な事をされた挙げ句に、頼みにしていたはずの大人から「よく話し合いなさい」なんて言われたとしたら、僕だったら、「そんな大人を頼ろうなんて二度と思わなくなるだろうな」と思うわけです。もちろん、僕は、自分の子どものしている話しか判断材料が無いので、事実が何かについてはわかりようもないというのは大前提ですが。

だけど、だからこそ、上で書いたように、“煽り”が“煽り”として機能しなくなる状態を生み出す事でしか、この戦争を避ける事はできないし、この理不尽さを生まないという事には繋がらないし、そもそも“煽り”が“煽り”として成立しなければ、誰一人として嫌な思いをする登場人物は存在しない、とても平和な状態が実現できるわけなんです。

だからこそ、

「なんで、そんな事するの?」という「問い」が必要だったんです。
もちろん、これは、自分達がやっている仕事の基本軸に据えている『対話』をしようねって事に他ならないといのは、今更書くまでも無いかなとも思いますし、実際に自分の子どもにも「これが『対話』だよ」とは伝えています。理解できてるかどうかはわかりませんが。

で、やってみたら「うまくいった」と。
だけど、気になるのは「うまくいった」ってのはどんな状態を指しているのかがよくわからない。なので、「うまくいった」がどんな状態だったのか聞いてみたんです。

そしたら、こんな状態になったそうです。

「なんでそんな事を言うの?って聞いたら、『ひゃあ~』ってなって(と言いながら、肩をすくめて縮こまって驚くような様子をジェスチャして)、ピューッてあっちに行っちゃった」と。

まあ、何のことだかはよくわからなかったんですが、とにかく満足そうだったので良かったなあと思って、ホッとしています。


ただ、本当は一番ホッとしているのは、僕が伝えた最終手段を実行しなかった事についてです。

実は、上に書いた構造のところを読むと「暴力を振るわれた時の対処がずいぶんと杜撰な感じがする」と思われた人がいたとしたら、それ実は大正解なんです。

実際には、「暴力をふるわれた場合の対処」はあれ以外の方法を、最終手段として教えています。が、その内容はnoteには書けません。

ただ、一部分だけ書けるとしたら、こんな内容です。

それは、「相手がもう二度と自分に手を出す気が起きなくなるように」を目的にした行動をしても良いんじゃないのかな、という内容です。

本当にそれをやらないで良かったなあと、今は一安心しているところです。
ホントに良かった。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


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