日日雑感~角田さん
今、スポーツ界を賑わしている角田さんについて書こうと思う。
角田夏実選手
強い、の一言だ。
相手選手が「巴投げが来る」とわかっていても防ぎきれないほどに磨かれた技には舌を巻く。
48キロ級の強豪とされたフランス選手は豪快に一本を取られていたし、団体のフランス戦では2階級も上の相手をこれまた見事な巴投げで吹っ飛ばしていた。
痛快なことであるが、この巴投げ、本来は得意の関節技に移行するために投げるものだというのだから恐ろしいことこの上ない。
日本柔道界はオリンピックで勝ち上がれない選手が出るとすぐに危機をささやかれるのだが、これほどの選手が出てくるのだから、捨てたものじゃない。
日本中の少年少女たちの希望になったのではないか。体が小さくても(角田選手は161cmあるというから小さくはないかもしれない)、体が細くても、技を極めれば自分よりも大きな相手を投げ飛ばすことができると、示してくれたのだから。
角田選手は、これから選手としても活躍するだろうし、選手を引退しても指導者としてきっといい選手を育ててくれるだろう。これからに期待したい選手だ。
角田大河騎手
それに対してこの男である。夜の函館競馬場を車で疾走し、芝コースを損傷させたこの男の周りで、今、妙なことが起きている。
それはたまたま角田騎手が函館の芝をメチャクチャにした次の日の上野幌駅で、人身事故が発生したことに端を発する。この人身事故で亡くなったのが「20代男性」というだけで、電車に飛び込んだのが角田騎手だったのではないか、もっと端的に言えば角田騎手は死亡しているという説が浮上しているのだ。
月曜日(5日)にノーザンファームで予定されていたイベントに、角田大河騎手がキャスティングされており、それが例の事件で他の騎手に変更になったあと、イベント自体が中止になった、というのも死亡説に拍車をかけた。
しかし、おそらくこのnoteを読んだ競馬ファンの人ですら、「?」と思う人が多数だと思う。死亡説で盛り上がっているのはXの中と、5ちゃんねるの競馬板くらいのものだからだ。
厳密に言うとX発信ではないが、JRAの元騎手FがYouTubeの生配信で「角田騎手は亡くなりました」と言ったこと、地方競馬の元騎手Tが「JRAの関係者から聞いた話では角田騎手が亡くなった」とXで発信したことがきっかけになった。これに対し、角田騎手生存説をXで流したアカウントが少なくとも2つあり、これらとF元騎手やT元騎手らがレスバトルを繰り広げて混沌とした状態になっている。
5ちゃんねらーもこれを笑いものにすると思いきや、結構真面目に死亡説を信じている層が一定程度いるのは残念だったが、F元騎手は「間違いだったら頭を丸刈りにする」、T元騎手は「死んでいる方に1億円かける」といって騒動を大きくし、F元騎手は「JRAの公式発表が遅い」と憤っている。
Xの中にいる人は、Xの中がこの世の全てだと思ってしまう節があって、「これだけ騒ぎになっているのだからいずれJRAから発表がある」と信じ切っている。だが、よく考えてほしい。Xなどというものは、この世のごく一部でしかない。ごく一部のサークル内で、騎手の死亡説や生存説が飛び交ったところで、JRAはそれを無視するどころか、認識すらしていないのが実情だろう。
であれば、仮に本当に角田騎手が亡くなっていれば公式に記者発表もあるだろうが、認識もしていないような死亡説に関してそれを否定するような発表、「角田騎手は生きています」という発表など行われるはずもない。
本当に、Xはさっさとやめてしまったほうがいい。自分の見ていた世界と、この実世界との乖離に、早く気づくべきだ。今ならまだ引き返せるかもしれないから。
ちなみに私は、ノーザンファームのイベント中止に関しては、今後の函館競馬場芝コースの使用についての関係者説明会などが開かれたせい、ではないかと思っている。これも憶測でしかないが、調教場として使われている以上、その芝コースの状態と、芝コースでの調教の可否は競馬界にとっては重大な関心事であり、火曜日からの調教が始まる前、月曜日に──関係者にとっては休日だが──説明を行ったためと考えれば説明がつくと思っている。情報が出てこないため、あくまで憶測だが。