大量♡出血は突然に①:事の発端編
タイトルを見て「アラフォー臭がするな…」と思った方は正解である。
アラフォー、独身、普通の会社員の私が突然股間からの大量の不正出血に襲われた話を書きたいと思う。
それが起こったのは7月の休日で、その日は早朝に便意で強制的に目覚めさせられるという最悪なスタートで始まったが、その時は激しい腹痛の割に遅々として進まないUNKOに痺れを切らして下行結腸の辺りをぐいぐい押して事なきを得た。
しかし、今思えばこれが良くなかった。
実は、数日前に受けた下部消化器内視鏡検査直後より子宮からの不正出血が起きていたのだが、生理最終日程度に量が少なく「20日後に来る次の生理の後も止まらなかったら婦人科に行くか」程度の心持ちでいた。
だが、この『ぐいぐい』をしてしまったが為に今まで眠っていた『私の子宮に巣食うヤツ』を最後の一押しで覚醒させてしまったのだと確信している。
UNKOとの闘いの後は、飼い猫のご飯の督促があるまで二度寝をして、その後も「先月届いたグッズの梱包解かなきゃと思いつつ一ヶ月経ったな」などお部屋の隅で小さな山を作っている未開封のグッズを眺めながらゴロゴロ過ごしたりして平和な休日を満喫していた。
事が起きたのは夜8時過ぎ、夕飯用に筍と鶏手羽のうま煮を作っていた時の事だった、突然膣の中を経血が下ってゆく感覚があった。まるで生理が一番ピークの日に席を立った瞬間せき止められていた経血が下ってくる感覚に似ていた。
「なんでこの時期に生理が?」と「パンツがやばい!」の二つを同時に思考しながらトイレに駆け込んで昼用ナプキンを装着して事なきを得て料理に戻った時に再び経血が下ってゆく感覚があった。しかも先程の感覚よりも量が多い。
トイレに戻って下着を下ろすと端から端まで真っ赤に染まった昼用ナプキンが目に飛び込んできた。そして、よく見たら堰き止められなかった経血で太ももが血まみれになっていた。下着ごと新しくしたかったが寝室に下着を取りに行っている間に第三波が来る可能性があると考え、少し血で汚れた下着に今度は夜用のナプキンを装着している最中に第三波がやってきた。
前にニュースで見た月経過多に似ていると思ったが、私は生理不順ではなく生理は数日前の内視鏡検査の日が最終日だった。それに月経過多の人が夜用ナプキンで一晩もたないという話は聞いたことがあったが、その比ではない量の出血が起きていた。
恐怖が込み上げてきた。
頭の中に「子宮破裂」、「失血死」、「入院」、「猫ちゃんの面倒は誰が?」、「とりあえず救急車を呼ばなくては」、「いや、その前に救急車を呼ぶべきか電話で相談できる番号があったな」などを矢継ぎ早に考えながらも、「緊急入院になったらしばらくお風呂に入れなくなるから、サッとシャワー浴びとこ」案を採用することにした。
経血で汚れた太ももが気持ち悪かったのもあるが、冷静な様でちょっと現実逃避したかったのもあったと思う。
血行を良くしないように極ぬる目のシャワーを5分で済ませたが、その間にも出血があった。拳大の黒っぽい塊(これは医療機関ではコアグラと呼ばれていると後で知った)と、普段の経血よりも色鮮やかでサラサラの血だった。
シャワー後は風呂場からダッシュで夜用ナプキンの置いてあるトイレと、下着、洋服の置いてある寝室に向かって着替えを済ませたが、来た道を振り返って見ると点々と血の道ができていた。
床を拭き拭きスマホで「救急車呼ぶか迷ったら」を検索して出てきた#7119を押してみたがつながらなかった。何度かけても誰も出ず、しまいには勝手にプツと通信が切られてしまった。
そう、2022年7月世間では新型コロナの第7派が訪れ救急医療が崩壊しかけていたのだ。