MRの必要性と今後の役割

この記事は、MRとして働かれている方、MRを目指されている方、パートナーがMRの方に向けて記載しております。
また、この記事に興味を持たれている方の多くが、今の環境に不安や焦り、またどのように成長すれば良いのか疑問を持たれているのではないでしょうか。
そのような方の一助になればと思い、こちらを記載しました。

さて、MR不要論・早期退職といったキーワードが注目を集めるようになってから約5年程経過したのではないでしょうか。
皆様の周りでMRはどのような環境変化がありましたか。

ではまず、MRの役割からご紹介していきたいと思います。

MRは製薬企業の営業職であるが、価格交渉には関与しない

一般的な営業職との決定的な違いとして、営業マンであるMRが自社医薬品の価格設定を行わない事が挙げられます。こちらは薬価という形で国が価格を設定してる要素と医薬品の流通は卸売会社が担当している要素に影響されていると考えられます。

つまりMRは医者に処方誘導は促すけれども、価格には関与できません。

MRの役割は情報提供と副作用報告であるが、目的は処方依頼・説明会実施・講演会企画。

MRとしての醍醐味は、なんといっても自社医薬品の良さを医師に紹介して、患者さんに処方された時ではないでしょうか。その為に、自社医薬品のパンフレットだけでなく英語論文を読み、疾患の知識を元に情報提供を行う事が重要です。
しかし、実態としてまだまだ挨拶だけMRやなんとなく処方依頼MRが多いのではないでしょうか。
処方依頼をする為に高級弁当を用意して説明会を予約する、処方を目的とした講演会を企画する

今のMRの実態は、企業としての営利的な目的にフォーカスされすぎており、MRとしての役割が疎かになっている印象を受けます。

では、今後のMRに求められる要素とは何でしょうか。

コロナの影響でMRのリモート活用が進むが、医師のニーズは二極化

ある企業の調査によると間違いなく製薬企業はZOOMなどを用いたディテールを増加させております。一方でディテールの質は低下したと感じる医師が一定数おり、デジタルディテールは有意義だと答える医師は少数派でした。
デジタルディテールに価値を感じる医師と価値を感じない医師の違いは何でしょうか。
私はそのMRの普段からの活動の仕方だと考えます。
・価値を感じる医師は、求めている情報が適切な手段・タイミングでMRから貰えると考えている
・価値を感じない医師は、MRからの情報は必要ない、対面で話がしたい(コミュニケーション相手が欲しいだけ)、何か手伝って欲しいと考えている

つまり、デジタルディテールに寛容な医師の担当MRは、MRとしての役割をきちんと果たせてるのではないでしょうか。
すなわちMRの役割を果たす事は、デジタルディテールが有効という仮説が立てられるのではないでしょうか。

情報提供の範囲は?流行りのフォーミュラリーや地域医療連携について

別の角度からもう一点。今の医療環境についてご紹介します。
既に医療業界の方ならご存知かと思いますが、現在ものすごい勢いで様々な統一や連携が進められています。
医療圏レベルでの医薬品の共同購入(フォーミュラリー)や総合病院と開業医の診療連携。
これらは現在進行中で取り組まれてますが、それぞれ様々な問題が存在します。
ここにMRの役割を追加することはできないでしょうか。

例えば地域医療連携については下記のような問題が考えられます。
・希少疾患の紹介先の導線
・専門医と開業医の知識レベルのギャップ
・病院により異なる電子カルテ
・患者の個人情報保護

上の2つについては、既に多くの製薬企業が、地域連携の講演会と称して対応されている事でしょう。
しかし、本当に問題解決の場になっておりますでしょうか?処方依頼の場になっていないでしょうか。一考の余地がありそうです。

また、下の2つについては、複数の電子カルテメーカーと協力し、異なる電子カルテであっても患者の情報が閲覧できるシステムを構築する橋渡しをMRが担う など今のMRの役割にはない役割を創る事も重要かと思います。

今後は医師の課題解決にフォーカスしてみてはどうか

医師がMRに対して求めている事は、基本的に医薬品・地域医療・デジタルについての情報提供です。単なる処方依頼は辞めましょう。
今後はデジタルが活用出来るMRにならないといけないという声も聞こえてきますが、デジタルディテールで処方依頼を行う これは間違いです。
デジタルをどう活かしたら、医療が良くなるかを考え医師とディスカッションしましょう。

自身の売上目標の達成を目指すなら、医師の課題を解決した上で、適切な患者さんに使って貰えるように提案しましょう。

医師の課題の多くは集患対策、患者数コントロール、スタッフ育成

それぞれの課題に対して色々な打ち手が考えられますが、
私がお伝えしたい事は、
MRとして営利目的の活動をする上では、
単なる処方依頼をするのではなく、
課題解決に処方提案を組み込むモデルを構築することが
医師にとってもMRにとっても最善だと言うこと。

具体的には、下記のようなイメージ。
・集患対策の地域連携の講演会をするので、紹介された患者で自社医薬品がfitする人には使って欲しい
・スタッフ育成をテーマとした勉強会をするから、コメディカルに自社医薬品の使いやすさを伝えさせてもらう

自分も他社もwin winな環境構築ができるか、その為に今の医療環境を考えながら活動できるMRが今後も残っていくのだろうと思っております。


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