SPOTIFY#2:支払い先が分からない著作権ロイヤリティの苦悩
「1円も漏らさず支払いたいのはヤマヤマだ。けれども誰に支払ったらいいかが分からないんだ。」
こないだSpotifyの目論見書を読んで、ちょっとしたナゾが残ったのはキャッシュポジションについてでした。2016年4月にConvertible Noteで調達した10億ドル、ぱっと見ほとんど使わずに取ってあるように見えるんですよね。そもそものPIK金利5%に加え、1年経過後はどんどんタームが厳しくなっていく。これ、相当その10億ドルを必要としていなければ普通は調達しないシロモノです。当時、TechCrunchでもアップルに対抗するための軍資金だと報道されていましたが、結果として使わなかったのはどういう訳なのか。
https://techcrunch.com/2016/03/29/stream-with-the-devil/
"Spotify raises $1 billion in debt with devilish terms to fight Apple Music"
和訳するとこんな感じですね。SpotifyがApple Musicとのバトルに備えて10億ドルを負債調達。ついに悪魔と手を結んだのか?!
10億ドルといえば、つい最近までの日本国内の年間VC投資総額に匹敵する金額です。CFすら出ていない会社がそれほどの金額を一括調達するには確かに悪魔もどきと手を結ぶくらいのことをする必要があったのでしょう。なにしろ相手は世界最大の時価総額を誇るアップルです。
しかし、ちょっと待ってください。2013年以降、アップルはカール・アイカーンという有名投資家に押しまくられ、増配や自己株買いによる投資家へのキャッシュ還元を進めてきました。その金額たるや、還元プランが始まった2012年度以来で累計2500億ドル。はい、2ケタ兆円です。SpotifyがConvertible Noteを発行した16年4月以降でも還元額は852億ドルに達し、逆算すると10億ドルなんてのはほんの1週間分の還元額に過ぎないのです。
この還元プランを10億ドルばかし減らしたところで株価にどれほどの影響が出ようというのか。いかなアイカーンさんでも、そこまで細かいこと言わないでしょう。世界中のヘッジファンドもアクティビストも、恐らくですが、誰ひとり気にしないと思われます。
ざっくり言って年間450億ドル内外のキャッシュ還元を行っているアップルですが、この還元は全て稼いだ現金で賄われています。CFSを見ると一目瞭然ですが、営業CF(一番上の黄色ハイライト)から設備投資(2、3行目の黄色ハイライト)を差し引いた、ここ2年間では500億ドル強が事業によって得られたFCF。詳しく確認していませんが、その他の投資CF項目は買収等でのキャッシュアウトなので、継続事業によるものと考える必要はなさそうです。
これに対して株主へのキャッシュ還元は4,5行目の黄色ハイライト。年によって違うものの大体420~470億ドルですね。ここ2年間は稼いだ現金の8~9割を還元していることが見てとれます。さらに、手元流動性としては〆て1,800億ドルのネットキャッシュ。
要するに、言いたいことはこれです。そもそもアップルに勝負を挑むなんて相当ビジョナリーじゃないとできないわけですが、単に体力勝負の戦争を仕掛けるようでは勝ち目はありません。わたくし先ほど10億ドルが大金だとのたまいましたが、巨象アップルの前には10億ドルってのは大した金額じゃなく、考えてみると10億ドルの調達が単に「Apple Musicとのバトルの軍資金」だとする向きにはちょっと首をかしげたくなるのです。。
2種類の著作権:mechanical rightsとperformance rights
さて、今回Spotifyの10億ドルの調達が一体なんの役にたったのかを考えるにあたり、米国著作権の法制度を少し調べてみました。そこで見えたのは、Spotifyのベンチャー魂だったのではないかという気がしています。
なお、あらかじめひとことお断りを。著作権法に比べれば、会社法や金商法は赤子の手をひねるようなものだと思われます。今回できるだけ広範囲の一次・二次資料を参照しましたが、私の理解が不完全である可能性はどうしても残り、後日万一誤りが判明した場合はどうかご容赦ください。
それでは本題に。目論見書によれば、Spotifyはその扱う楽曲について、通常2種類の著作権許諾を得るとのことです。① mechanical rightsと ② public performance rights。
① mechanical rightsというのは、歌詞と曲に対する権利です。作詞家、作曲家の持つ著作権ですね。メカニカルというと「機械の」という意味で、一風変わったネーミングになっています。これはその昔、自動演奏ピアノ用の、穴がパンチされた巻紙、「ピアノロール」に対する権利だったことに由来するとか。当初は譜面に対する権利だったところ、自動演奏ピアノの登場で、譜面がなくても音楽を奏でることができるようになったのです。20世紀初頭にmechanical rightsが法制化され、ピアノロールに著作権が認められるまで作曲家は食いっぱぐれていたみたいですね。ひょっとするとパトロン制度が必要だった所以なのかもしれません。
もうひとつの② performance rightsというのは、演奏家の権利です。これは分かりやすいですね、同じ曲でも異なるバンドがカバーすれば別途の権利が生まれることになります。
さて、Spotifyは、目論見書内のリスクセクションでこれら著作権ロイヤルティの支払いにおいて内部統制上の重大な瑕疵があったと開示しています。
material weaknessを和訳すると重大な脆弱性とでもいいましょうか、要するにできてないという意味ですが、ここまで連呼しまくるとは相当強調したいに違いありません。リスクセクションというのは将来の訴訟を防ぐため弁護士が築く防波堤ですので、通常は経営陣が「なんでそこまで言わせるか」とつむじを曲げるくらいにテンコ盛りにするものですが、それにしてもすごい。
赤く囲った部分には、2015年度に著作権者への要支払い額の把握にまつわり重大な内部統制上の瑕疵が発覚し、届出日現在においてもその瑕疵は修復できていない、と書かれています。2015年といえば、Spotifyが著作権使用料の未払いについて集団訴訟を起こされたタイミング。その一部は2017年になって和解となり、50億円弱の支払により決着しましたが、Wixen Musicという大手パブリッシャーはその内容に納得せず、昨年末にSpotifyを相手取り、請求総額16億ドルという巨大な訴訟を起こしています。
Spotifyの目論見書には、上記集団訴訟についての説明も載っています。2015年12月から2016年1月にかけて2件の集団訴訟が提起されたが、これらは後に統合され、2017年5月に和解に至ったとのこと。和解内容は、①4300万ドルの和解金の支払い、②100〜200万ドルと推測される和解手続きの実費の負担、③上限500万ドルの原告側弁護士費用の負担、そして将来の音楽使用について、④支払い先が判明しているものについてはその費用の支払いと、⑤支払い先が判明していないものについては所定額を留保すること、ということです。
。。ちょっと待って?「支払い先が判明していないもの」ってなんだそれ。
詳細を読まずとも、どうもへんてこりんな香りのする和解内容です。これに納得できない当事者もいるようで、すぐに6件の新たな訴訟を提起されたともあります。Wixenはそのひとつ、保有する1万曲以上に対する著作権侵害を主張し、著作権法の認める損害賠償の上限額である曲あたり15万ドルを請求してきたのですね。これが例の、請求額16億ドルの大型訴訟。あえて16億ドルとは言っていませんが、掛け算すれば分かるよう、小さな文字でもばっちり書いてありました。
Wixenの訴状を入手して読んでみる
Wixen Music Publishingという名前を聞いたことのある人、いるでしょうか?Journey、Tom Petty、Neil Young、Missy Elliottなど錚々たるアーチストをクライアントに擁する大手パブリッシャーです。Journeyといえば、トム・クルーズ主演映画「Rock of Ages」でも曲が使われていましたね。80年代ならではのメロディアスな「Any Way You Want It」は誰もが聞いたことのある名曲です。ここは一息ついて、Spotifyを聞くべき。
https://open.spotify.com/track/71SvEDmsOwIWw1IozsZoMA
Oh, she said,
Any way you want it
That's the way you need it
Any way you want it
I said, any way you want it
That's the way you need it
Any way…
サビの歌詞は、まぁ、「好きにして♪」みたいなロッカーな感じですが、この歌詞の権利を管理するWixenがSpotifyに巨額の損害賠償請求を行っているというわけです。好きになんてさせないわ (# ゜Д゜) と。
ちなみにJourneyの歌詞はいかにも80年代らしく、メロディーをカッコ良くする以上の意味はなかったという説も。彼らのもうひとつの大ヒット曲「Don't Stop Believin'」の女の子はSouth Detroitから出てきたことになっていますが、実はSouth Detroitなんていう町は存在しないんですね。。えっ、そんなことは気にならない?もちろん私も大好きです。
Wixenが管理する著作権を具体的に示すため、Any Way You Want It の例を見てみましょう。Spotifyアプリのクレジット表示機能をたたくと、1980年発売のJourneyのアルバム「Departure」の冒頭に収められているAny Way You Want It では、演奏Journey、作詞作曲がギタリストのNeal SchonとリードボーカルのSteve Perryと出てきます。Wixenはこの作詞作曲に係る部分の権利を管理しており、Sony Music傘下のLegacy Recordingsがレーベルとしてバンドと共にperformance rightsを共有しているようですね。
一方、この同じ曲は映画のPitch Perfect2でも使われているのですが、そちらはJourneyの演奏ではありません。異なる演奏なのでこちらのレーベルはUMG、それでも作詞作曲は同じNeal SchonとSteve Perryですね。
さて、ここでもし読者にエンジニアの方がおられたら、なにか気になる点がありはしないでしょうか。。作詞作曲者の表示ですが、オリジナル曲では「Stephen Perry」、サントラ版では「Stephen Ray Perry」となってますよね。出ました、表記揺れです。。。このメタデータ、ミドルネームの有無ってきちんと判定できるのか?そもそも人名ですから、それこそ同姓同名もいるでしょう。有名人ならなんとかなりそうですが、Spotifyは3000万曲もの音楽を扱うプラットホームです。氏名オブジェクトからマイナンバーにポインタが飛んでたり、、するわけもなく!この管理って一体どうやっているのでしょうか??
はい、そうなんです。Spotifyが目論見書のリスクセクションで開示していた「脆弱性」とはまさにこのこと。レーベル側は、Universal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music Group の3大レーベルとインディーズを扱うMerlinでほぼ網羅できるところ、作詞作曲側についてはパブリッシャーが無数にあるだけでなく、パブリッシャーを付けずにアーチスト自身が管理しているケースも多数あり、それこそ星の数ほどのパターンがある中で、これを一元管理するデータベースがそもそも存在しないという恐ろしい状況。Spotifyは著作権周りの情報収集をHarry Fox Agencyというその分野の大手企業に外注しているのですが、後述のとおり、そのエージェンシーも十分に情報を収集できていないというのがWixen訴訟の主たる議論となっています。
早速、Wixenの訴状をDLして読んでみました。アメリカの裁判書類はPACERというデータベースからウェブ入手できるようになっており、P2Pシェアリング用のブラウザアドインなんかも開発されていてすこぶる便利。
Wixenの訴えはこうです。SpotifyはパブリッシャーたるWixenから、曲の配信に先立ち前述のmechanical rightsに係る許諾を得る必要があるところ、それを得ていない。mechanical rightsの許諾取得方法は2つあり、①音源の複製後30日以内かつ配信前に権利保有者に対してNOIを送付するか、②権利保有者が不明の場合は政府のCopyright OfficeにNOIを届け出るかだが、Spotifyはいずれの方法によっても許諾を得ていない。Spotifyは市場進出のスピードを優先するがゆえに、外注先のHarry Fox Agencyが十分な体制を備えていないことを知りながらこれを無視し続け、著作権使用料の支払いを怠ってきた。。
大変なことですね。もちろんこれはあくまで訴状ですから、ことの真偽は今後の裁判で認定されるでしょう。しかし、続く箇所で引用されている2015年のWSJ記事を読むと、Spotifyの未払い問題が既定事実である旨の報道がなされています。Victory Recordsというレーベルとその兄弟会社Another Victory Music Publishingというパブリッシャーとが、一定期間におけるSpotifyからの明細を突き合せたところ、パブリッシャーへの支払いがなんと79%の配信に対してしか行われていなかったことが判明したとか。曲によってはそもそもパブリッシャーへの支払い額が存在しなかったとのこと。その記事中、SpotifyのスポークスマンがWSJに宛てたメールにて衝撃的なコメントを発しています。
https://www.wsj.com/articles/songwriters-lose-out-on-royalties-1444864895
「1円も漏らさず支払いたいのはヤマヤマだ。けれども誰に支払ったらいいかが分からないんだ。」
いや〜、本当に衝撃的ですね。オンデマンドストリーミングというのは、本来気の遠くなるような著作権処理業務を伴うところ、Spotifyはそれをうっちゃって事業展開に励んだ結果、圧倒的な規模を手に入れたということのようなのです。結果、未払い著作権料を巡り損害賠償額の上限にあたる16億ドルを請求されるに至ったと。良くも悪くもこれをベンチャー魂と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょうか。
これ、考えてみると日本のVODが長年停滞していた状況にもあてはまる話なんじゃないでしょうか?既存の著作権管理の仕組みがぶっ壊れていて、ネット接続の高速化をはじめとする技術進化をサービスに活かせない状況があった。既存の枠組みを前提に、諸問題を解決してから(または洗い替えを待ってから)でなければ前に進めないパターンと、財務体質を盾に訴訟覚悟で突き進み、いずれ業界の仕組みや法制度が進化するよう働きかけるパターン。現にアメリカでは今年1月に新たなデジタル音楽著作権の枠組みが議会提出され、Music Modernization Actという新法が上下院で審議されているんですね。Wixenが年末に裁判所に駆け込んだのは、著作権料の不払いについては2018年1月1日以降、所定額のキャッシュリザーブさえあれば賠償責任から免責されるという規定がまさにこのMMAに含まれているからだということなのです。
さて、仮に約2割のmechanical rightsが未払いであるとすると、これまでの著作権使用料総額から試算するにその金額は2〜3億ユーロほどになりそうです。ちなみに念のため、状況は国ごとに異なるため、大半の配信がアメリカの曲だと仮定すれば、ですね。そのような未払いの構造が存在することは2015年の時点で(というより恐らく事業開始時点で)社内でも把握されていたようですから、どこかでキャッシュの手当が必要だった。発行当時で8億ユーロ強だったConvertible Noteの発行は多分にこれを意識した調達だったのではないでしょうか?
財務諸表から計算するとロイヤルティは合計約7割ですから、WSJ記事の報道する状況が仮にSpotify全体にあてはまり、本来のmechanical rightsである売上比10.5%の79%しか支払ってきていないとするならば、売上比2.2%に相当する金額が未払いです。未払いが過去累計売上の2.2%なのだとすると、その金額は、約2.5億ユーロということになります。2年前からプラスに転じた営業CFも、この未払い費用を実際に支払っていたとすると半分程度に減ることに。
結局、10億ドルのキャッシュバッファは、必要だったにせよバッファとしてしかその役割を果たしませんでした。調達に際して発行した証券は25%も割安なストライクで新株に転換されたわけですから、同じ新株をIPOで発行していれば、例え証券会社がかんだところで3%程度で済んだはずの「手数料」を実は8倍くらい余計に支払ったと見ることも。新株を発行しない上場が取り沙汰されていますが、これを考えるともう新株は結構出しちゃってた、ということなのかもしれませんね。
転換系の証券を売る時にボラを安売りするとこういうことが起きうるわけでして、結果として新株を大安売りするリスクを負うわけですね。たまに自社の株式がハイボラだから調達の好機だと考える向きがあるようですが、ボラを安売りすることにもコストがあるということを考えさせる一例ではないでしょうか。なお、Spotifyの場合はエキゾチックな証券だったためそれがPLにも反映されたわけですが、株価上昇により損失が膨らむというのは不思議ではあるけれど、それなりに意味のある会計処理でもあります。つまり、株価があがればあがるほど、ボラを売り渡したことのツケ(=転換証券の価値上昇)が健在化するのであり、それが損失という形で姿を現したのがSpotifyの巨額赤字の正体だったということです。
今後の注目点:mechanical rightsの大幅値上げ
なお、mechanical rightsの法定料率は定期的にCopyright Royalty Boardなる政府機関が定めることになっており、2018年1月には、今後5年間の料率が発表されました。それによれば、2017年に売上の10.5%だった料率は、2018年より売上比だけでなく、performance rightsの総費用に対する割合によっても判定されることになり、そのいずれか多い方の金額に定められることになるそうです。従来から、演奏家の取り分に比べて作詞作曲家の取り分が大幅に少ないことについては盛んにロビィ活動が行われてきていたということですから、その成果があがったということですね。
売上比の側は、2018年の11.14%が2022年には15.1%に、新設されるperformance rights比の側は、2018年の22%が2022年には26.2%にまで年々上がっていくということです。performance rightsに売上の6割強を費やしている状況下、6割の22%は11.14%よりも多いですから、今後のmechanical rightsはperformance rightsの一定割合に決まりそうですね。2022年の時点でもしperformance rightsの水準が変わらないとすれば、仕入原価は現行の70%が78%程度にまで上昇することになりそうです。この点、目論見書上では将来業績に大きな悪影響を与えるものとは考えていないと記載されていますが、「大きな悪影響」が具体的になにを指すのかが不明ですから、もし株を買う場合は、今後のmechanical rightsの値上げによっても時価総額200億ドルの前提がサポートされるかどうかはしっかり確認しておく必要があるでしょう。
Pandoraがオンデマンドストリーミングに出遅れたわけ
さて、最後にひとつ、謎解きをしてみたいと思います。デジタル音楽配信サービスといえば、大きく分けるとPandoraのようなインターネットラジオ、iTunesのようなダウンロード型、そして今や市場を支配するよになったオンデマンドストリーミングの3種類があるわけですが、その中で、なぜオンデマンド配信型だけが上記のような著作権の問題に直面したのでしょうか?
その答えはなんと、Pandoraの創業者Tim WestergrenがQuoraで回答している文面から読み取ることができます。
すごいですね〜。これつまり、最近までPandoraってのは曲スキップが各局内で1時間に一定回数までしかできない仕組みになっていたわけなんですが、この理由というのが、オンデマンド型と認定されて膨大な著作権許諾業務の負担を抱えないで済むように、ということだそうなんです。もう少し詳しく説明すると、アメリカでは配信形態によって必要とされる著作権許諾がそれぞれ異なっており、以下のような許諾を要する法制度になっているとのこと。
・ インターネットラジオ:performance rightsのみ
・ ダウンロード型:mechanical rightsのみ
・ オンデマンドストリーミング型:performance と mechanical rightsの両方
Pandoraは自由にスキップできないなどオンデマンド性に制約を課すことによりインターネットラジオとしての認定を守ってきたのですが、その場合、SoundExchangeというクリアリングハウスに対してperformance rightsの支払いを行えば個々のアーチストへの支払いについては一切気にする必要がありません。ダウンロード型の場合は、Appleなどのプラットホーム運営企業に代わってレーベルが作詞作曲家に対するmechanical rightsの支払いを行う仕組みになっており、ストリーミングの場合は運営企業が自ら作詞作曲家に対する支払いを行わなければならない仕組みだということで、ここがオンデマンドストリーミング事業を展開するうえでの最大のネックだったというわけなんですね。
※ 本稿の執筆には細心の注意を払っておりますが、筆者の無知・不勉強による誤りが含まれている可能性も多分にあることを何卒ご承知おき頂きますようお願い致します。内容の誤りについては一切の責任を負いかねますので、掲載情報のご利用はくれぐれも自己責任でお願い致します。あしからず。
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