黄金株とは何か:政府が買収を拒否できる石油開発の国策会社
3月26日午前中に値上がりが伝えられた株式の中にINPEXという会社がありました。
よく知らないので調べてみると、国策の資源開発会社で経済産業大臣が黄金株という「買収関連の株主総会決議事項について拒否権を行使できる株式」を持っているという特殊な会社で、これは日本ではこの会社だけが発行しているということを知りました。それだけこの会社が国策上重視されているということになるわけです。
この会社は「国際石油開発」と「帝国石油」が合併してできたもので、国際石油開発は主にインドネシアの油田開発を行なってきた石油開発の会社。
帝国石油は戦時中に各石油会社の開発部門を統合してつくられた国策会社です。日本国内の油田・ガス田開発が中心のようですが、ベネズエラ・エジプト・コンゴ・アルジェリアでも開発を行い、東シナ海でも事業化を図りましたが現在はストップしている状態である、ということのようです。
こうした事情から、なるほど黄金株というものを政府が所有する意味はあるし、非常に政治的な部分がこの会社には関わってくるのだなということが察せられます。そういう状態でありながら東証プライム(一部)に上場されているわけですから、この会社に関しては政府の政策の推移もじっくりみていく必要がありそうです。
再生可能エネルギーも可能性にやや天井が見えた感がありますし、オールド資源ではありますがまだ石油・天然ガスの重要度が劇的に下がるということはすぐには考えにくいので、こうしたところも観察していければいいなと思いました。