関節運動における靭帯の役割 理学療法士
今回は関節運動における靭帯の役割についてまとめていきます。
靭帯の役割は骨と骨を繋ぐことや関節に安定性を作ることが挙げられます。
そして、関節運動では靭帯の走行と骨運動の関係によって、緊張を高めたり、元に戻るような対応をします。
ここで重要なことは靭帯が機能することで関節運動をガイドしてくれている要素があるということです。
膝関節において、内側側副靭帯は内側半月に付着し、脛骨大腿関節の内側を安定させることで外側の運動を増やし、関節内運動を構成している特徴があります。
もちろん、それは靭帯だけではなく、骨形態の特徴の関係もありますが、動きを作る要素の一つとなっています。
足関節においても底屈位では骨形態の特徴上、関節内運動の遊びが大きくなりますがその中で側副靭帯や三角靭帯等の緊張で距骨のコントロールを行っています。
そのため、靭帯損傷がない状態で関節運動を考える場合は靭帯がしっかりと機能するポジションを獲得することが必要となります。
立脚初期に膝関節が伸展可動域と前額面上でのアライメントの正常を取れないことは靭帯制御が出来ず、ラテラルスラストがより起こりやすい状態になることが考えられ、代償的な筋の過活動や骨・軟骨など構造体への負荷が予測されます。
これらのことからも靭帯という受動的システムが働ける環境を作ることも関節運動を考えていく上では必要であると思います。
また、靭帯損傷がある場合はテーピングやサポーター等の外的固定も必要となることがあると思います。
重症度や他部位との運動の関係を考慮しなければなりませんが、強固に固定し動きを止めるのではなく、靭帯機能に併せた動きの制動をかけることが二次的な疼痛の予防やパフォーマンスの低下を防ぐことに繋がると考えます。
さらに靭帯は固有感覚を中枢に入力してくれる役割もあるため、適切な動きのなかから良い感覚入力をすることが必要であり、構造体として損傷し、メカノレセプターとして機能しにくい場合はトレーニングのなかから他の機能を使い、動きの学習をしていく必要があると思います。
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※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。