「大転子・内果・外側上顆」骨の隆起部は筋力に重要? 理学療法士
今回は四肢の骨隆起部の重要性や考え方をまとめていきます。
骨隆起部は長管骨でも関節に近い部分にあり、関節と筋の距離を出すことで効率的な内的モーメントの生成や筋の滑車機能として効率的な筋出力の発揮に貢献していると思います。
そして、大転子などは子供のころに荷重負荷がかかることで頚体角が大きくなり、中殿筋などの活動の中で隆起すると言われております。
そのため、重力環境下で人が生きていくためには、骨隆起部をうまく使うことが出来る環境であることが重要と捉えることも出来ると思います。
大転子や内側上顆、外側上顆、内果、外果などの周辺は筋や神経、血管が多く、滑車機能として筋や腱の方向を変えるポイントでもあるため、関節運動に伴い、より大きな組織滑走が必要となります。
これらの組織滑走が出来ない場合、筋・腱だと筋出力低下や可動域制限に影響し、神経や血管だと痺れなどの感覚障害や可動域制限に影響することが考えられます。
さらに、骨隆起部には滑液包や脂肪体など組織の滑りを補助する組織がたくさんあるため、その組織が滑走できない場合も上記の問題が起こることが予測されます。
そのため、骨隆起部周囲の組織滑走性や浮腫の有無、筋緊張、筋出力などを把握することがとても重要であると思います。
また、滑走を促す場合は単に骨に対して長軸方向に動かすだけでなく、前後や斜めなど関節運動に伴う組織の形態変化を意識したアプローチが必要であると思います。
これらの部位は少しの変化が出るだけで大きな筋出力の向上や可動域の改善に繋がるため、対象者にも実感してもらいやすいと思います。
日常生活やスポーツのパフォーマンスにも大きな影響があるため、セルフエクササイズ等を指導することでコンディションを保つことも必要になると思います。
ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。